2020 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of new two-dimensional materials composed by typical elements
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19H02551
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
近藤 剛弘 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (70373305)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ホウ化水素 / 硫化ホウ素 / ボロフェン / ボロファン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我々が世界で初めて合成に成功して2017年に論文報告をしたホウ化水素シートと、最近合成に成功した硫化ホウ素シートを基軸として用い、新しい性質を有する典型元素で構成される新規2次元物質群を創出することです。本年度は、まずホウ化水素シートが特異な還元剤として機能することを見出しました。具体的にはパラジウムイオン、白金イオン、銅イオン、コバルトイオンとアセトニトリル中でホウ化水素シートをそれぞれ混合するとどのイオンも還元されてホウ化水素シートに金属ナノ粒子として堆積することを見出しました。また、亜鉛イオンやニッケルイオンは還元されないことも見出しました。これらの結果からホウ化水素シートは-0.277から-0.257 V(対標準水素電極,vs. SHE)の酸化還元電位を有していることが示されました。この結果は日本化学会誌のChemistry Letters誌に掲載され、優秀論文に選出されてInside Coverとしても掲載されました。次に、ホウ化水素シートの固体酸触媒機能について同位体を用いた赤外吸収分光による解析を行いました。この結果、エタノールがホウ化水素シートに吸着するとBHB結合が乱れてBHBのBHの一端が切れてフリーのBH結合が形成することや、エタノールのOH基がホウ化水素の水素と反応して水が脱離した後、残るエトキシ基の水素がホウ化水素の水素欠損部位であるホウ素に引き抜かれる脱水素反応が起きてエチレンが形成することが明らかとなりました。即ち格子水素を巻き込んだ反応で全体としてエタノールの脱水反応が起きていることが示されました。この結果は英国王立科学会誌Physical Chemistry Chemical Physicsに掲載の採択がされました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホウ化水素シートが特異な還元剤として機能することを明らかにし、その酸化還元電位も見積もれたこと、固体酸触媒として機能する際にはホウ化水素シートの格子水素が反応に参加することなどを世界で初めて明らかにして論文報告をしたことなどを鑑みておおむね順調に進展していると判断しました。
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Strategy for Future Research Activity |
ホウ化水素シートが水に対して化学的に安定であることを示す実験結果が得られているため、この期限を明らかにします。これはホウ化水素シートを水素利用用途として応用する場合に重要な特性で、通常の金属水素化物の多くが禁水であることとは対照的な大事な性質であるためでもあります。また、硫化ホウ素シートについて徹底的に行っている解析結果がまとまってきているため、最終年度となる来年度に応用用途のデバイスによるデモンストレーションも含めて、明確な実験結果を論文としてまとめて発表します。
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Research Products
(28 results)
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[Journal Article] Topological Dirac nodal loops in nonsymmorphic hydrogenated monolayer boron2020
Author(s)
N. T. Cuong, I. Tateishi, M. Cameau, M. Niibe, N. Umezawa, B. Slater, K. Yubuta, T. Kondo, M. Ogata, S. Okada, and I. Matsuda
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Journal Title
Physical Review B
Volume: 101
Pages: 195412-1~11
DOI
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