2019 Fiscal Year Annual Research Report
High-quality single crystal growth of DNA-functionalized nanoparticles
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19H02555
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田川 美穂 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (40512330)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | DNA / ナノ粒子 / コロイド結晶成長 / X線小角散乱 / 機能性ナノ材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNA修飾ナノ粒子(DNA-NP)の高品質単結晶作製に取り組んだ。手法としては、申請書に記載のH31年度課題の通り、「種結晶を用いた結晶成長法」に取り組んだ。DNA-NP分散溶液から予めDNA-NP超格子結晶を結晶成長させて、電子顕微鏡及びX線小角散乱法により結晶サイズが最大で1μm程度であることを確認した種結晶(あるいは同条件で作成した種結晶)を用いた。DNA塩基配列及びナノ粒子表面に結合するDNAの被覆率により異なるDNA-NP超格子結晶の融解温度(Tm)も予めX線小角散乱法により測定しておき、Tm温度前後で一度ずつ温度を振って種結晶を結晶化溶液に浸漬させた。また、種結晶を浸漬して二段階で結晶成長させるDNA-NP分散溶液のDNA-NP濃度、塩濃度も変えて最適条件を模索した。電子顕微鏡による解析結果では、種結晶浸漬温度により二段階成長後の結晶サイズが大きく変わることが確認された。X線小角散乱法により確認した融解温度よりも一度程度低い温度で浸漬した種結晶が最も大きく成長した。二段階目の結晶成長溶液の組成(DNA-NP濃度、塩濃度)に関しては、ある程度の最適条件は見出しつつあるものの、浸漬温度を含めそれぞれの条件が相互に関係しているため、今後より精査して行く。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結晶化温度や種結晶浸漬温度、結晶化溶液の組成(DNA-NP濃度、塩濃度、緩衝溶液)等の条件はそれぞれ相互に関係しており、すべての条件を考慮した上で最適な結晶化条件を見出さなければならないことがわかってきた。当初考えていた以上に複雑であり、課題も増えてきたが、着実に結晶化条件最適化へ向かっているため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
高品質単結晶作製には、結晶化溶液の組成や温度シーケンスのみならず、重力の影響も考えなければならないことがわかってきた。結晶成長の過程でDNA-NP超格子がチューブの底に沈んでしまい、成長が阻害されていることが考えられる。今後は、結晶化溶液の組成や温度シーケンスの最適化と並行して、微小重力下における実験も推進する予定である。
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Research Products
(7 results)