2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the Unzip Mechanism to Form Single-layer Graphene Nanoribbons and the Creation of Innovative Functions
Project/Area Number |
19H02559
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 啓文 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (90373191)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雲林院 宏 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (40519352)
田中 大輔 関西学院大学, 理工学部, 准教授 (60589399)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | アンジップ / グラフェンナノリボン / ラマン / 側鎖分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、いまだ未解明の①グラフェンナノリボン(GNR)の安定的な大量合成への条件確立、②GNRの電磁気特性制御、③GNRの物性制御の3点を行うことにより、GNR配線への道筋を学術的に強固にすることを目的とする。GNRは厚みが単原子~数原子層の黒鉛で伝導率が銅の1000倍ほどの良電導体である。既存の高度集積回路の微細配線厚みが100分の1程度となることから、次世代微細配線材料の候補である。我々はこれまで世界でも類を見ない上質の「単層」GNRの合成手法を2層・単層カーボンナノチューブを切り開く「アンジップ法(UZ法)」により確立した。また、分子修飾によるバンドギャップ制御、単層GNRからのGNR層数増加、UZ法のメカニズム基礎的解明、UZ法のSWNTキラリティ依存性、UZ法最良条件の統計的探索等により世界をリードし、産学界から注目を集めてきた(平成27年8月7日科学新聞、平成27年8月31日日刊工業新聞、招待講演4件、科研費基盤C、B等)。本研究ではこれらの結果をさらに発展させることで冒頭の目的を達成する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
周波数と印加電圧を変化させた周波数可変DEP法を用いて、過剰なSWNTとの混合状態からsGNRのみを電極間にトラップすることで、分離できた。ラマンスペクトルにおいて、SWNTのラディアルブリージングモード(RBM)からのピークが13MHz以上の周波数から得られた試料からは確認されなかった。RBMのピークは片浦プロットを考慮すると、SWNTの円筒構造と相関しており、SWNTのアンジッピングにより一枚のsGNRが得られることから、DEP処理後にsGNRのみがトラップされていることが示唆された。また、AFM 画像や RBM ラマンピークからも、DEP の条件を調整することでsGNRが1本のみ架橋されていることが確認された。この結果は、sGNRをDEP法で整列・分離が可能なことから、ナノカーボンデバイス作製法への応用が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
GNRエッジ部分に単分子磁石など機能性分子を導入することによりGNRの電気・スピン特性をコントロールする。エッジ部を機能分子修飾し、物性のコントロールを目指す。これまで明らかになってきたように一般にエッジ部は化学反応性が高いため、容易に分子などと共有結合を作製させることができる。また、ブロモ化アルカンチオールの端部に単分子磁石を配位した分子を導入する。GNRのエッジに単分子磁石を配向させることができる。単分子磁石の導入数をTERSで観察する GNRへの単分子磁石の配位密度を調べることができスピン物性と配位密度の関係が分かり、GNRへの物性付加が期待できる。
|
Research Products
(7 results)