2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel liquid biopsy platform by combining microfluidics and integrated circuits
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19H02569
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
Kim SooHyeon 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (80709189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長阪 一憲 帝京大学, 医学部, 講師 (30624233)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セルソーター / シリコン集積回路チップ / マイクロ流体デバイス / リキッドバイオプシー / 1細胞解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、細胞の高精度操作を可能とするマイクロ流体技術と、高感度光検出・フロー制御の並列化を可能とするシリコン集積回路技術とを融合することで、体液中のがん細胞を検出・解析可能とするリキッドバイオプシープラットフォームの開発を目指す。具体的には、一光子レベルの検出が可能な半導体素子であるSPADを内蔵したシリコン集積回路チップを、マイクロ流体デバイスと統合することで、複数地点で同時並列にターゲット細胞を検出・分離することが可能な新概念の並列セルソーターを開発する。 今年度では、SPADを内蔵したシリコン集積回路チップの設計・製作を行い、時間分解光子測定技術の基礎検討を行った。時間分解光子測定技術では、励起光と蛍光を波長ドメインではなく時間ドメインで分離することで、超短パルスレーザーを用いて励起を行った後にSPADを活性化して蛍光を測定することが可能な技術である。この技術を利用して、光学フィルターを使わずにシリコン集積回路チップ上で蛍光色素からの蛍光を検出することに成功した。さらに、SPADを内蔵したシリコン集積回路チップを用いて10ミクロンの蛍光ビーズからの蛍光信号も検出可能になった。一歩、ネガティブ誘電泳動力を用いた細胞制御について検討を行い、バッファーの電気伝導率を高く(200mS/m)することで、ネガティブ誘電泳動力を用いて細胞を垂直方向で操作することが可能であることを確認した。また、RNA捕捉ビーズに関しては、バッファーの電気伝導率を低く(10mS/m)することで、誘電泳動用いてマイクロウェルに捕捉することが可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、時間分解光子測定技術を用いて、光学フィルターを使わずに蛍光を検出することに成功した。また、実験条件を検討することで、誘電泳動を用いて細胞やマイクロビーズの操作が可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、細胞を用いたフローサイトメーターの性能評価、CMOSチップとマイクロ流体デバイスの融合、マイクロビーズと細胞のペアリングデバイスの開発を行う。まず、SPADを内蔵したシリコン集積回路チップとPDMSマイクロ流路を結合して製作した並列フローサイトメーターを開発する。具体的には、SPADアレイに8本のマイクロ流路を配置して、フローサイトメーターを並列化し、マイクロ流路内で流れている細胞からの蛍光信号をSPADで検出する。さらに、SPADで検出した蛍光信号を、顕微鏡で撮影した細胞の動きと比較することで、フローサイトメーターの蛍光検出性能を評価する。次に、SPADアレイで製作した蛍光検出基板と誘電泳動捕捉用のマイクロ流路流体デバイスの融合を行い、さらに製作したマイクロ流体デバイスを用いて、単一細胞とRNA捕捉ビーズのペアリングの検討を行う。RNA捕捉ビーズにはDNAバーコードが表面修飾されているため、ペアリングされた各細胞を標識することが可能である。ペアリング効率を向上するため、細胞とRNA捕捉ビーズを捕捉するための最適条件を検討するととともに、数値シミュレーションを用いてマイクロ流路内の流体解析を行い、マイクロ流体デバイスの構造を最適化する。
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