2021 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外増強ラマンナノプローブ法の開発と外場励起ガン細胞壊死機構解明への応用
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19H02591
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷中 淳 筑波大学, 数理物質系, 客員准教授 (80400638)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ナノ顕微技術 / 生体計測 / ラマン分光 / ナノプローブ / ガン細胞の特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞表面をナノレベルで観察可能で、弾性率を測定可能な原子間力顕微鏡と、無染色で細胞内分子の同定や化学変化を追跡できる近赤外励起ラマン分光を組み合わせた複合型顕微鏡を開発し、局所弾性率と探針増強ラマン分光による局所化学変化を同時に測定することで、一連のガン細胞の壊死プロセスを解明することを目的とし、原子間力顕微鏡を用いたガン細胞の弾性率測定と近赤外励起ラマン分光装置の開発を行った。 ガン細胞の弾性率測定では、光線力学療法を行う前後でのガン細胞の弾性率変化、アクチンフィラメントの生成量変化、および細胞内の低分子量GTP結合タンパク質RhoAの変化を測定し、比較を行うことで細胞内で進行している機序の観察と進行時間を測定することができた。これらの結果をRSC Advances 2022, 12, 5878-5889 (2022)へ発表した。 近赤外励起ラマン分光装置の開発では、スーパーコンティウムレーザーの導入により広帯域のラマンスペクトルを取得することが可能になった。ポリアミドと硫黄の低波数ラマンスペクトルが取得でき、温度による硫黄の結晶性の違いをラマンスペクトルから観察することができた。この成果はAppl. Phys. Express 14, 122006 (2021)へ発表した。 探針増強ラマン分光では、探針のドリフト等による信号強度の低下が大きいため、測定時間の短縮化を考案し、10倍以上の測定時間の短縮化が可能となった。しかし、信号強度は予想より大きくならなかったため、励起光とプローブ光の強度比を変更できるように光アンプの導入を行った。 1064nmの励起光で効率よくプラズモン励起する金ナノロッドを細胞へ導入する装置の開発を行い、ガン細胞と正常細胞へ導入し、ラマンスペクトルの取得を試みた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)