2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a small thermoacoustic engine for energy harvesting
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19H02607
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
上田 祐樹 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00447509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩見 健太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80514710)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 熱音響エンジン / 環境熱発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱音響エンジンは可動部を持たず,様々な熱源に利用できる.また,そのエネルギー変換効率は理想的にはカルノー効率を実現できる.これら特長より,工場排熱や太陽熱による熱仕事変換器として世界中で研究が行われている. 本研究では特に環境熱発電に熱音響エンジンを利用することを目的に,熱音響エンジンの小型化および駆動必要温度差を小さくすることに注目して研究を行った.本年は,熱音響エンジンのサイズが駆動必要温度差にどの程度影響を与えるのかについて,実験的,数値計算的に研究した.その結果,一般的な設計方法で製作する熱音響エンジンはその長さを0.8 mから0.5 mまで短くすると,必要温度差が150℃から270℃まで大きくなることが実験により分かった.また,この結果を数値計算で予測できることが分かり,数値計算による予測から,さらに短くすると,急激に必要温度差が大きくなることも分かった. 小型化と100℃以下での駆動を実現することは,通常の熱音響エンジンでは難しいことが分かったので,作動流体に特徴的な物質を使うことを想定し,様々な条件で数値計算を用いて駆動必要温度差をシミュレートした.その結果,0.1 mで駆動必要温度差を50℃程度まで低下できることが分かった.そこで,製作上の制限のため,数値計算の条件を実現できなかったが,できるだけ計算条件に近い実機を作成し,装置長さ0.15 m程度で,必要温度差45℃を実現した. さらに,熱音響エンジンの必要駆動温度差に大きな影響を与える可能性がある音響マイナーロスの定式化に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の成果を上げているので,おおむね順調に進展していると考えている. (1)数値計算手法を開発し,その精度を確認した. (2)数値計算手法を用いて,装置を設計し,熱音響エンジンの小型化,低温度差駆動に成功した. (3)熱音響エンジンの駆動に大きな影響を与える音響マイナーロスのモデルを提案した.
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Strategy for Future Research Activity |
さらなる低温化を実現する作動流体の特性を明らかにする.また,数値計算を用いて装置の最適形状を明らかにする.本年度では可動は確認したが,その出力については測定できていない.そこで,出力の測定方法を確立する.
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