2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a small thermoacoustic engine for energy harvesting
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19H02607
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
上田 祐樹 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00447509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩見 健太郎 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80514710)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 熱音響 / 相変化 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱音響機器を取り扱う従来の理論では気体として単成分を仮定している.これに対してRaspetは2成分気体を取り扱い,管壁で水(水蒸気)の分圧が飽和蒸気圧に等しいとして,蒸発および凝縮を理論に取り込んだ.本年度ではRaspetの理論,およびそれを拡張した理論を適応し,水分の移動に注目して実験結果を解析した.具体的には音響管内に濡れたスタックを挿入し,外部から強制振動を与え,スタック内で水分がどれだけ移動するかを調べた.その結果,物質移動が実験的に観測され,理論的にも同様の結果が示唆されることを示した.この結果から,水の相変化が熱音響機器の性能に,エネルギーの輸送を通して影響を与えることが分かった. アスペクト比の異なる大型(管長30 cm程度)の熱音響エンジンを製作し,アスペクト比(エンジンの長さと径の比)が熱音響エンジンの臨界温度差に与える影響を明らかにした.実験装置としてアスペクト比2から10の熱音響エンジンを製作し,振動開始温度比および温度比と振動圧力振幅の関係を測定した.また,測定結果と数値計算の結果の比較を行った.なお,本実験ではアスペクト比の影響のみを抽出しやすいように,相変化物質を含まない気体(具体的には空気)を用いた.実験の結果,アスペクト比4-10の場合,数値計算結果と実験結果は良い一致を示した.一方,アスペクト比2-4の場合,振動開始温度比に関しては実験結果の方が,数値計算結果より低い値になった.また,高調波(数値計算では考慮していない)の影響も大きくなることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置の製作過程において作業がスムーズに進まず,当初の予定より実験が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
遅れている実験を速やかに行う.また,得られた知見をもとに小型熱音響エンジンを作成し,発電を行う.
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