2021 Fiscal Year Annual Research Report
従来の限界を超えた空間分解能で生体組織深部を可視化する無標識分子イメージング
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19H02626
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山中 真仁 大阪大学, 工学研究科, 特任准教授(常勤) (90648221)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生体深部 / 近赤外 / 生体窓 / 高空間分解能 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生体深部の構造や分子情報を、生体の窓と呼ばれる生体透過性の高い近赤外波長域の光を用い、高空間分解能で可視化する技術を開発することである。第3の生体窓と呼ばれる波長1600 nm帯で高出力かつ低ノイズのパルス光が得られるファイバーレーザー光源を開発し、顕微鏡システムの開発を進めていたが、出力やパルスエネルギーが不十分であることは判明したため、R2年度途中からファイバーレーザー光源の改良に取り組んだ。本研究では、改良を加えたエルビウム添加ファイバーを用いたフェムト秒パルス共振器、線形チャープを持つ増幅パルス光が得られるシミラリトンファイバー増幅器を開発し、十分に増幅された中心波長1560 nm帯パルス光を得た。そして、増幅されたパルス光を、大口径のコア径を有するシングルモードファイバーに入射させ、パルス波形を歪ませる非線形効果を抑制しつつ、ラマン散乱効果を利用することで、波長1600 nm帯の高出力フェムト秒パルスレーザー光を生成した。開発したフェムト秒パルス光源、波長1600 nm帯で十分な透過率を有する光学素子、高NA、長作動の水浸対物レンズを用い、第3の生体窓の光を高効率に利用できる光学顕微鏡システムを開発した。開発した顕微鏡を用い、生体模擬試料越しにポリスチレンビーズを観察し、試料深部においても空間分解能がほぼ劣化していないことを確認した。さらに、生体組織試料越しの細胞観察実験も行い、第3の生体窓の光を用いることで、生体組織深部においても細胞試料の観察が行えることが実証できた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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