2020 Fiscal Year Annual Research Report
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19H02634
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
北 智洋 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (40466537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MENDEZ MANUEL 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (20822430)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 量子ドット / シリコンフォトニクス / 波長可変レーザ |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度の研究においては、Cバンド帯において大きな光増幅利得を持つInP基板上のInAs量子ドット光増幅器を利用する事で、Cバンド帯でシングルモード発振をするハイブリッド多波長可変レーザを作製した。シリコンフォトニクスチップ上に作製したリング共振器、ブラッグ反射鏡を用いた二波長可変フィルタと量子ドット光増幅器を結合したハイブリッドレーザを作製した。作製したハイブリッドレーザは、20~200 GHzの差周波を持つ二波長レーザ光の出力に成功し良好な波長可変特性を示した。レーザ発振閾値は、約120 mAと良好な特性を示したが、200 mA注入時の最大出力光強度は数十uW程度にとどまった。Tバンド帯ハイブリッドレーザよりも小さな閾値を示しながら出力光強度は約1/100となった理由は、レーザ光出射部分の加工時の損傷によるものと考えている。またCバンド帯量子ドット光増幅器は、自己発熱による性能の劣化が顕著に現れ、200 mA以上の電流注入時には出力光強度が低下したことから放熱構造の改善が必要な事が明らかとなった。二波長可変量子ドットレーザからの出力光をファイバー光増幅器によって2mW程度まで増幅し、高速フォトディテクタに入射することでミリ波の発生を試みた。発生したミリ波は、レーザ光の差周波である約30GHzでありミリ波の線幅は20 MHzであった。レーザ光の線幅は、数百kHzであることからミリ波における線幅増大の原因は、二波長間の位相が同期していないためと考えられる。二波長レーザ発振の位相を同期させるために必要なシリコン光変調器の開発も並行して進め、作製した光変調器は50 dBを超える高い消光比を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
光通信波長帯でUTC-PDといった高性能な光部品を利用できるCバンド帯での二波長可変レーザの実現に成功しミリ波の発生にも成功した。出力光強度の低下及び二波長間の位相不同期等の課題の抽出に成功した。以上から概ね研究は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究においては、多波長レーザの高出力化及び光変調器の装荷によって、より高精度、低位相ノイズなハイブリッドレーザを実現する。
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Research Products
(7 results)