2019 Fiscal Year Annual Research Report
Heat Transfer Degradation under irradiation environment
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19H02645
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 孝司 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (80204030)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 限界熱流束 / 放射線 / 熱流動 |
Outline of Annual Research Achievements |
限界熱流束(CHF)が 、照射によって劣化する可能性があることが知られている。この劣化現象を明らかにするため、CHFに与える影響について、実験及びシミュレーションコードを用いた評価を実施した。初年度は実験を進めるとともに、計算コードによるモデル化を進めた。 この研究では、Pythonでコード化された拡張モデルを導入して、流動沸騰のCHFを予測した。この簡略化されたモデルは、CHFの予測と説明に使用できるCHF発生のメカニズムを考慮している。具体的には、バブルの相互作用に基づいてCHFを予測するために、バブルの成長と離脱を考慮した拡張モデルを提案した。エネルギー方程式と連続の式をもとに、バブルの成長をモデル化する。次に、2番目に大きいバブルクラスター領域の傾向の変化を、CHF発生の指標としてした。そのモデルをもとに、蒸発熱流束とCHFの関係を予測する。 沸騰場においては、CHFがはたす役割は極めて重要であり、CHFのメカニズムを研究することは非常に重要である。提案する拡張モデルは、CHFを予測することが可能となる。さらには、沸騰核密度(NSD)、気泡の離脱時間などの影響についても、本モデルで扱う事ができる。残念ながら、モデルの元となる、いくつかのパラメータについては、実験によって得られた値を用いざるを得ない。今後、パラメータを多く変更することで、本モデルの有効性を確認するとともに、より現実的なモデルを提案することも必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験はコロナのために若干遅れ気味であったが、計算によるモデル化を推進することで、当初予定通りの成果を挙げている。
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Strategy for Future Research Activity |
計算モデルをもとに、パラメータサーベイの重要性を改めて確認している。次年度は、パラメータとして大きく関与する、材料に着目した実験的検討を進めるとともに、モデル化に寄与する。
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