2020 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロスケール反応熱循環機構を持つエクセルギー再生型酸素製造デバイスの開発
Project/Area Number |
19H02653
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
能村 貴宏 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (50714523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國貞 雄治 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00591075)
坂口 紀史 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (70344489)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エクセルギー / 酸素 / 蓄熱 / マイクロカプセル / ブラウンミラーライト |
Outline of Annual Research Achievements |
空気から純酸素利用への転換が産業の省エネ・CO2排出削減(及び分離)に必須である。しかし、深冷分離法による酸素製造はエネルギー過剰消費プロセス(理論値の約6~8倍)であり新たな技術が求められている。そこで本研究では、深冷分離法に替わる省エネルギー酸素製造プロセスとして、マイクロスケール反応熱循環機構を持つエクセルギー再生型酸素製造デバイスの開発を目指す。具体的には、酸素吸蔵材料と潜熱蓄熱マイクロカプセルがマイクロスケールで近接したデバイスを用いた圧力スウィング方式(Pressure Swing Adsorption: PSA)の空気分離プロセスを新たに開発することを目的とした。
本年度は前年度に引き続き、1)新規酸素吸蔵材料の探求と性能向上と、2)反応熱循環型酸素製造デバイスの開発と伝熱・反応特性調査を実施した。
1)新規酸素吸蔵材料の探求と性能向上 先行研究にて合成に成功しているCa2AlMnO5を起点として、各カチオンサイトを置換した際に酸素吸放出特性が向上する機能元素を第一原理計算より予測し、これらを微量ドープした新規酸素吸蔵材を液相燃焼合成した。その結果、Yドープにより平衡酸素吸脱蔵温度が100℃以上向上することを見出した。この材料は高温のケミカルヒートポンプ等への応用も期待できる。また、Niドープにより、400℃以下の低温度で酸素吸脱蔵する物質を確認した。この物質については今後詳細に同定する予定である。 2)反応熱循環型酸素製造デバイスの開発 ペレット状のデバイスを作製し、PSA実験をした。その結果Srドープ材料は迅速に酸素吸脱蔵が可能であり、かつ酸素吸蔵材料のみのデバイスでは吸脱蔵間で約30~60K程度の温度スウィングが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り酸素吸蔵デバイスの作製に成功し、PSA実験を実施できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
酸素吸蔵材料と潜熱蓄熱マイクロカプセルがマイクロスケールで近接したデバイスを作製し、PSA実験を実施する。得られた実験データをもとに、プロセスシミュレーションを実施し、実プロセスの性能を予測する。また、この性能値をもとに酸素製造のプラントメーカーやガス会社と議論し、実プロセスに向けた課題を抽出する。
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Research Products
(4 results)