2021 Fiscal Year Annual Research Report
XFELと中性子ビームを用いたニトリルヒドラターゼ触媒反応の遷移状態構造の解明
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19H02667
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
尾高 雅文 秋田大学, 理工学研究科, 教授 (20224248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
當舎 武彦 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 専任研究員 (00548993)
松村 洋寿 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (60741824)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 遷移状態 / 反応中間体 / XFEL / 中性子構造解析 / 触媒反応機構 / 時間分解構造解析 / ニトリルヒドラターゼ / 翻訳後修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
酵素の反応機構を理解する上で反応中間体の構造は本質的に重要である。しかし,遷移状態であることから,その立体構造を明らかにすることは極めて困難である。本研究はXFELを利用した時間分解結晶構造解析と中性子構造解析により,NHaseの遷移状態構造解析を行うことを目的としている。令和2- 3年度は,新型コロナウイルス感染防止対策を行うためにXFELと中性子ビームラインの双方の研究施設への移動をすることが出来ない状況であった。一方,鉄型NHaseを発現させる微生物の培養に必要な培地成分である酵母エキスの販売が停止されたことにより,新たな培地での培養条件の最適化を余儀なくされた。そのため,本年度は,以下の研究を行った。 1) 入手可能な酵母エキスを用いて鉄型NHase発現条件を最適化した。各種酵母エキスのうち最も発現の良かった培地で保存株のスクリーニングして高発現株を選択,更に,各種培養条件を最適化し,時間分解結晶構造解析に十分な酵素を精製可能な培養条件を決定した。 2)活性中心近傍の精密な水素結合ネットワークを明らかにするため,光応答性はないが安定性に優れるコバルト型NHaseの中性子構造解析のための結晶化を行った。既報の条件でコバルト型NHaseを結晶化させたところ,結晶格子の一辺が186 Åと大きく,中性子構造解析に適さないことがわかった。そのため,結晶格子の小さな結晶を得られる条件を探索している。 3)量子科学計算から触媒反応時の水素結合ネットワーク形成に重要と考えられるコバルト型NHaseのαS112, βY68, βY69をそれぞれ,AまたはV,F, Fに置換した変異体を構築した。αS112Vはコバルトを配位せず,他の変異体は野生型の5%以上の触媒活性を示し,時間分解結晶構造解析には活性が高すぎることがわかった。現在,これらの二重変異体を構築している。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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