2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development and applications of quantum-chemical methods to treat large cells for periodic materials
Project/Area Number |
19H02682
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
Fedorov Dmitri 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60357879)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西本 佳央 京都大学, 理学研究科, 助教 (20756811)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 電子状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに開発したFMO-DFTB/PBCを用いて、応用計算を行った。 蛋白質結晶の原子の位置と格子定数を最適化した。実験値のあった5個の蛋白質結晶を最適化して、全体的に実験と良い一致を得られた。しかし、実験の構造には幾つかの問題があり、水素原子が誤って含まれていたり、原子間距離が近過ぎたりしていたが、理論計算の結果から構造を改良することができた。さらに、蛋白質と結晶に含まれる溶媒の相互作用を解明した。 地球の環境汚染問題にも繋がり、また宇宙の化学進化の鍵と考えられている氷表面と有機分子の吸着過程を解明した。吸着する分子の濃度が高いと協同効果が大きい為、氷と有機分子の認識のみならず、有機分子間の相互作用の影響が大きいことを示した。熱力学量を計算し、我々の手法が実験値をよく再現できることを実証した。この論文は国際雑誌の表紙に掲載された。 溶液中化学反応の実例として、水和中有機分子のSN2反応を探究し、新しい解析手段として、自由エネルギー解析法を開発した。その解析で、FMO-DFTB/PBCの分子動力学シミュレーションを行い、反応座標をアンブレラサンプリングで拘束し、頻度による熱力学法で自由エネルギーを得た。経路中のフラグメントの成分を平均し、有限温度でフラグメントの寄与を明確にした。反応過程における電荷の変化をふまえ、溶媒が遷移状態の反応障壁をどのように削減するかを明らかにした。 固体触媒は化学企業に極めて重要である。本研究課題で開発したFMO-DFTB/PBCを有望な触媒であるゼオライトの結晶に用いて、多段階から成るp-xyleneの生成反応の経路を特定した。この様な共有結晶のフラグメント分割はFMOで成功した初めての例なので、将来の応用に大変参考になると期待できる。本研究課題で開発した分配解析を適用し、電荷緩和による安定効果が反応障壁の支配に重要なことを明らかにした。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)