2020 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple Operando Analysis on Potential Dependent Material Transport in Electric Double Layer Formed at Ionic Liquid / Electrode Interface
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19H02687
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 賢一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60262143)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Operando観測 / 電気二重層 / イオン液体 / 電気化学 / 光電子分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は,①EC-FM-AFMによるIL液滴/電極界面の電位に応じた局所構造解析,および ②紫外全反射吸収分光(EC-FUV-ATR)による金属イオンの溶媒和電子状態の解析手法の確立に取り組んだ。 ①については,液滴端に生じる先行薄膜領域でフォースカーブ測定を行うと,イオン液体内に探針先端が入る箇所,電極基板に達する箇所を一定の方法で定義し,その位置での膜厚を評価できることが分かった。さらに,そのフォースカーブ内で,イオン液体の層構造に相当する振動する構造力が観測できることも分かった。またその振幅によって構造力を評価することで,先行薄膜の膜厚に応じた界面の構造化の違いが評価できた。この一連の測定は電位印加時にも有効で,結果として,電位に応じた界面の局所的な構造化の程度が計測可能である。 ②については,Li+などの金属イオンに配位するアニオン由来の深紫外域での吸収が,フリーなアニオンに比べて波数シフトすること,それをmultivariate curve resolution-alternating least squares (MCR-ALS) algorithmで解析することで,いくつのアニオンが電子状態として影響を受けているか(電子状態的有効配位数)を決定することができることを明らかにした(PCCPに論文として報告)。そこで得られる値は,立体的制限からLi+に直接配位すると考えられるアニオンの数より1分子多い。つまり,第二配位圏にあるアニオンも電子状態に変調が生じることが分かった。この成果は,界面での溶媒和の変化の解析へも応用可能なものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
EC-XPSおよびEC-FM-AFMで同一のイオン液体液滴の先行薄膜部分を解析する方法論の確立が格段に進歩した。これにより,次年度以降の金属イオンを含むイオン液体溶液の解析にもめどが立ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に格段に進展したEC-XPSおよびEC-FM-AFMでの実験的解析,同界面のMDでの分子スケール描像の解釈について,2021年度も引き続き実験・解析を進める。それに加え,2020年度には,当研究グループで開発してきた,電気化学角度可変遠紫外全反射吸収分光(EC-FUV-ATR)を用いた界面電子状態の解析についても本格化させ,多角的な界面Operando解析をさらに進める計画である。
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