2021 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple Operando Analysis on Potential Dependent Material Transport in Electric Double Layer Formed at Ionic Liquid / Electrode Interface
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19H02687
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福井 賢一 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60262143)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Operando観測 / 電気二重層 / イオン液体 / 電気化学 / 光電子分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である2021年度は,前年度までの実績・準備状況のもとに,主に以下の2つの課題に取り組んだ。①金属イオンの界面垂直方向の動きと溶媒和状態の解析,および ②EC-FM-AFMによるIL液滴/電極界面の電位に応じた局所構造解析 ①については,電極界面近傍での化学種の電子遷移スペクトルの測定が可能な電気化学紫外全反射吸収分光(EC-FUV-ATR)を用いて,Li+イオンに対するイオン液体アニオンの配位数を数学的な解析手法を適用することで決定できることを実証した。分子動力学(MD)計算でLi+イオンに直接配位することが見込まれるアニオン数よりも,さらに1つ多くのアニオンの電子状態まで影響を与えていることが同測定・解析から分かり,その時間依存状態密度汎関数の計算により,遷移状態の波動関数の混成が起こることが確認された。これを元に溶媒和状態の電位依存性に関する解析を進めた。さらに,MD計算により,電極表面電荷に応じたLi+イオンの電極表面への接近挙動や,脱溶媒和状態への遷移も確認された。Mg2+をエネルギーキャリアとして含むイオン液体溶液液滴でのEC-XPS測定では,負電荷が生じる電極に対して,Mg2+の液滴バルク部から薄膜電気二重層領域への垂直拡散も確認された。 ②については,イオン液体液滴の薄膜領域においてAu電極界面との界面に生じるイオン液体の構造化をフォーススペクトルで測定することに成功した。さらに,イオン液体液滴の外気との界面位置をフォーススペクトルで捉えられること,すなわちイオン液体薄膜の厚みや,その厚み情報をつなげることで液滴薄膜の形状を評価できることを見出した。これまでEC-XPS測定でしか薄膜厚みの評価ができなかったが,EC-FM-AFMによるフォーススペクトルでの評価が可能になったことで,解析可能なレベルが格段に上がったことは本研究の最大の成果の一つである。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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