2021 Fiscal Year Annual Research Report
Phosphorescence manipulation by boronic acid-based supramolecules
Project/Area Number |
19H02704
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
久保 由治 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (80186444)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ボロン酸 / 燐光 / 超分子 / ポリビニールアルコール / センシング |
Outline of Annual Research Achievements |
空のp軌道を介した電子吸引性を有するホウ素は有機材料を構築する際の主要元素として注目されている。この性質は項間交差過程の促進に寄与する。たとえば、アリールボロン酸類は固体状態で室温燐光 (RTP) 特性をもつ。これは、ホウ素の影響により隣接する酸素の孤立電子対がπ共役系に関与する機構を用いて考察されている。一方、ボロン酸はジオール類と可逆的な共有結合を通して熱力学的に有利な分子系を形成する。令和3年度は、燐光特有の残光特性も機能化を検討した。現時点までの成果をまとめる。 (1) 金属イオン応答型RTPボロネート粒子の調製:我々が開発したボロネート自己集合粒子(BP)は緑色の燐光を放つ。その粒子表面の化学修飾性に着目して、金属イオン応答型ローダミン色素を固定化した。MeOH/水の混合溶液中、アルミニウムイオンの添加に伴い、残光色の変化が観測された。燐光由来のセンシング系を提案することができた。 (2) RTPボロネート粒子の発光特性とナノ構造の関係性評価;粒子構成成分は同じであるが、粒子の調製条件によって発光特性が大きく変化する。この挙動を理解する目的で、粉末X線回折(PXRD)結果をケモメトリックスという統計学的手法を駆使して、発光性と構造の相関性を調べた。その結果、未知試料のPXRDパターンからそのRTP特性を予測することが可能になった。 (3) 水銀イオンに対する発光増強型ケモドジメーターの調製;燐光は酸素や分子振動に対して敏感で失活しやすい。我々はポリビニルアルコール(PVA)を剛直なマトリックスとして利用したRTP分子系の調製をおこなっている。今回、水銀イオンが脱硫反応を起こすことを取り入れた燐光センシングを提案した。ベンゾフェノンをボロネート架橋したPVAをマトリックス使用した結果、水銀イオンに対する発光増強型の燐光センシングを達成した。その応答は目視で確認した。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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