2020 Fiscal Year Annual Research Report
Continuous carrier control of redox MOFs by electrochemical doping
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19H02729
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高石 慎也 東北大学, 理学研究科, 准教授 (10396418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 弘章 東北大学, 理学研究科, 助教 (30709100)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 酸化還元 / ドーピング / リチウムイオン電池 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題のでは、集積型金属錯体の一種である金属有機構造体(Metal-Organic frameworks: MOFs)酸化還元機能(= 電子機能)を付与し、同錯体に対して電気化 学的にキャリアドーピングを行うことを目的とした。 今年の主な研究実績を以下に示す。 ①2,3-dihydroxybenzoquinone(dhbq)配位子を用いて、新規MOF(Fe(dhbq)(H2O)2)の合成に成功した。本MOFを脱水して得られたMOF(Fe(dhbq))は含水錯体に比べて電気伝導度が1万倍向上することを明らかにした。また、本錯体をリチウムイオン電池の正極として用いることで、270mAh/gの容量を実現した。この値は現在実用化されている正極材料であるコバルト酸リチウムやリン酸鉄リチウムに比べて2倍以上の高い容量である。 ④多孔性金属錯体Ln(Pc)2において電気化学的に連続的に酸化還元させ、それによって電気伝導性が大きく変化することを明らかにした。また、セリウム錯体においては、リチウムイオンの挿入による還元に成功し、本錯体ではセリウムイオンが4価から3価に還元していることが明らかとなった。この知見は、電気化学的還元によってフタロシアニン配位子だけでなく、希土類イオンのf電子に由来する酸化還元できることを示しており、酸化還元によって劇的に全角運動量を変化させることができるこれまでにないスイッチング材料としての応用も期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2,3-dihydroxybenzoquinone(dhbq)配位子を用いたMOFにおいては既存のリチウムイオン電池の正極の2倍以上の容量を実現した。また、希土類フタロシアニン錯体においては、これまで成功していない固体での還元的キャリアドーピングに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の方針は大きく分けて2つである。 1つ目は、酸化還元容量の向上である。これまでは、2電子レドックスを示す2,3-dihydroxybenzoquinone(dhbq)配位子からなるMOFの開発を進めてきたが、今年度はさらなる高容量化を目指して、4電子レドックスを示す配位子を開発し、それを用いたMOFの開発を行っていく予定である。 2つ目は、電気化学的に酸化的および還元的キャリアドーピングを実現し、ドーピングレベルを連続的に変化させながら一連の物性測定を行っていく予定である。
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Research Products
(20 results)