2022 Fiscal Year Annual Research Report
Transition Metal Complexes Having Phosphinyl Radicals as Ligands: Functions Based on Orbital Interactions
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19H02730
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 真太郎 東北大学, 理学研究科, 准教授 (90436080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | リンラジカル / 遷移金属錯体 / 脱離反応 / 速度論的安定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年までの結果はリンラジカルの置換基の大きさにより、リンラジカル配位の遷移金属錯体の会合挙動が変化しうることを示していた。そこで、置換基をよりかさ高くしたリンラジカルの合成について新たに取り組んだ。併せて、リンの酸化数による性質の変化と、リンと硫黄による多座配位子となることを期待し、チオホスホリルラジカルの合成を検討した。リン上への置換基の導入および、そこからの硫化、いずれも高収率で行える条件を見つけることができた。得られたクロロホスフィン、クロロホスフィンスルフィドの還元により、前者は期待通り、安定なホスフィニルラジカルを与えた。EPRスペクトルにより、リンラジカルとしての電子状態は本研究課題で取り扱ってきた化合物と大きな変化がないことが示された。後者は分解し、ホスファアルケンとシリルチオラートを与えた。これは還元によりチオホスホリルラジカルが発生するものの、速やかに過剰還元されて脱硫されてしまうためだと考えられる。 本研究の途上で得られたクロロホスフィン類は穏やかな加熱により容易にクロロシランの脱離が起こり、対応するホスファアルケンおよびホスファアルケンスルフィドを与えることを見出した。これは新しいホスファアルケン類の合成法になりうる。これらの酸化還元反応による開殻化と遷移金属錯体との錯形成を現在検討している。次に脱離反応を起こさないように工夫した置換基を採用し、リンラジカルの前駆体のクロロホスフィンの合成まで達成した。得られた知見をもとに、リンラジカルと等電子構造のシリレンラジカルアニオンを目指し、新たな安定シリレンの合成にも成功した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)