2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of metastable assemblies based on molecular self-assembly processes
Project/Area Number |
19H02731
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平岡 秀一 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10322538)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 分子自己集合 / エネルギーランドスケープ / 速度論支配 / Pd(II)イオン / 準安定種 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は速度論支配による準安定な自己集合性錯体の選択的形成に取り組んだ。これまでPd(II)-窒素結合は可逆なため、自己集合を行うと熱力学平衡状態に到達すると考えられていたが、昨年度までの研究により、可逆な結合であっても比較的温和な条件で自己集合を実施すると、自己集合の帰結が速度論に従うことを実験および数理モデルによって明らかにした。熱力学支配の分子自己集合における未解決問題に多成分系の自己集合体の選択合成がある。構成成分数が増すと、多様な自己集合体が形成するため、これらの安定性が近いと熱力学支配ではがボルツマン分布してしまうため、熱力学支配における限界がある。この問題を解決するために、多成分系自己集合体を速度論支配によって段階的に形成することを計画した。Pd(II)イオンの原料は塩化パラジウムであり、これからtrans-PdCl2錯体を得ることができるが、これを出発として、段階的に二座配位子を導入することで、多成分Pd(II)二核かご形自己集合体 (Pd2L4) を選択的に合成することに成功した。多成分Pd2L4錯体の異性体は全6種類存在するが、このうち、2種類の二座配位子(L)からなる3タイプの報告例はあるものの、残る3種類については報告すらない。さらに、既報の3つのタイプも全て二座配位子の組み合わせを入念にデザインし熱力学支配によって達成したものであり、本研究が掲げる速度論支配とは全く異なる。溶媒、温度および脱離配位子を適切に選択することで準安定な多成分Pd2L4かご形錯体を形成できることを確認し、それらの構造はNMR分光、質量分析、および一部の錯体については単結晶X線構造解析によって明らかにした。本研究で開発した手法は広く適用可能であり、速度論支配による多成分系Pd(II)自己集合体の形成の一般手法となると考えられる。
|
Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(19 results)