2021 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis and Reactions of Mo-Fe-S Clusters Toward Understanding of the Mechanism of Nitrogenase
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19H02733
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大木 靖弘 京都大学, 化学研究所, 教授 (10324394)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 鉄 / モリブデン / 硫黄 / ニトロゲナーゼ / 窒素固定 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和3年度の本研究では、窒素還元酵素ニトロゲナーゼの活性中心FeMo-cofactorの生合成過程に関する知見を得るため、標的Fe-Sクラスターをあらかじめ化学合成してアポタンパクに組み込む、金属-硫黄クラスターの錯体化学と生化学を融合させた独自のタンパク再構成法を開発した。その結果として、FeMo-cofactorの[MoFe7S9C]骨格が2つの立方体型[Fe4S4]クラウターから構築されること、2つの[Fe4S4]クラウターだけでは不足しているS原子が[SO3]2-イオンから供給されることを明らかにした。さらに、[SO3]2-の硫黄原子を異なるカルコゲンに変えた[SeO3]2-や[TeO3]2-を用いることで、FeMo-cofactorの前駆体クラスター錯体として知られるL-clusterの中央を二重架橋するカルコゲン原子を位置選択的に元素修飾できることを明らかにした。Se/Teによってラベル化したL-clusterは電子スピン共鳴スペクトルによって同定し、X線吸収分光を用いてFe-Se/Te結合を形成していることを確認した。さらに、理論計算を用いて[SO3]2-, [SeO3]2-, [TeO3]2-が取り込まれる過程をシミュレーションし、これらのイオンがL-cluster上で[S]2-/[Se]2-/[Te]2-まで還元される反応が、実際に起こりうるという結果も得られた。また、[SO3]2-が存在しない条件ではニトロゲナーゼのN2還元機能が発現されないことも確認した。ニトロゲナーゼが機能するためには外部基質となるS源が必要になることを示しており、自然界の窒素固定を人工利用する上で重要な発見と言える。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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