2022 Fiscal Year Annual Research Report
Signal-amplification Chemosensors through Allosterism
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19H02746
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福原 学 東京工業大学, 理学院, 准教授 (30505996)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 化学センサー / 分析化学 / 光化学 / 超分子化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本提案では、分析化学と超分子化学の融合領域である「超分子分析化学」分野において新たに提唱した超分子アロステリック増幅センシング(SASS)を多様な系で実証することにある。最終年度に、本提案における最重要な位置付けとなる静水圧力制御に関するreviewがAcc. Chem. Res.誌に受理された。さらにこの考え方は、一重項分裂(SF)と呼ばれる「励起状態増幅過程」にまで適用可能であることを示し、Chem. Sci.誌に受理されている。このSFと呼ばれる光物理過程では1つの光子から2つの励起状態を作ることができる。具体的には、励起一重項(S1)が近接の基底状態分子と相互作用し、ペア(1(TT))を形成し、2つの分子がそれぞれ独立した三重項(T1)と呼ばれる別の励起状態へと変化することで、見かけ上、一重項が2つの励起状態の分子(励起子)に“分裂”する。このように、1つの光子の吸収に対して2つの励起子を形成することが可能であるため、SFは励起状態の“増幅過程”であると捉えられている。こうした観点から、SFは光エネルギーを効率的に化学エネルギーもしくは電気エネルギーへと変換する光物理過程(例えば太陽電池)として、近年特に注目を集めている。また、基底状態では三重項の酸素分子を一重項酸素と呼ばれる極めて活性の高い酸素へと変換することができるため、がん治療のひとつである光線力学療法への応用展開が期待されている。こうした背景の中、最終年度では圧力を外部刺激とした場合、熱力学的に比較的容易かつ精密な制御が可能であると考え、静水圧による分子内SFの制御を試みた結果、2つのペンタセンを繋げたペンタセンダイマーの顕著な静水圧効果が立証された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(25 results)