2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a software system for treatment of powder X-ray diffraction data based on deconvolution-convolution procedures
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19H02747
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
井田 隆 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80232388)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 粉末X線回折 / 逆畳み込み / 畳み込み |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,申請者が独自に開発した逆畳み込みデータ処理法により,一次元半導体X線検出器を装備した汎用粉末X線回折測定システムにより収集されたデータからX線源の分光強度分布および装置収差の影響を除去するための実用的なソフトウェアを開発することを目的とする。2019年度には助成金により一次元検出器 (Rigaku D-tex) を装備した卓上型粉末X線回折測定システム (Rigaku MiniFlex 600-C) を整備し,主に標準試料粉末を用いた装置研究を行った。この際に,現在は最も一般的なデータ収集法である連続走査積算法を用いた。その結果,赤道発散収差と呼ばれる装置収差について,従来仮定していた収差モデルでは観測された回折ピーク形状を再現するためには不十分であることが明らかになった。そこで解析幾何学的な手法を用いて,正確な装置収差モデルと実用的な近似形式を導いた。近似モデルをデータ処理ソフトウェアに実装し,実測データの処理に適用したところ,収差による影響が除去されることを実証し,この結果は T. Ida, "Equatorial aberration of powder diffraction data collected with an Si strip X-ray detector by a continuous-scan integration method", J. Appl. Crystallogr., 53 (2020) [doi: 10.1107/S1600576720005130] として 2020年5月に出版された。 さらに,極端に回折角度が低い場合あるいは試料の幅が極端に狭い場合にも逆畳み込み処理が有効となりうる形式を導いた。この結果の有効性を検証するための実験計画を検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目的では,既にプロトタイプを作成していたソフトウェアについて,実証的な方法によって適用可能性を評価し,ソフトウェアの実用性・完成度を高めることが主な目的であったが,装置評価を始めた初期の段階で,現在一般的に利用される一次元半導体検出器の連続走査積算法における装置収差の影響の明確な数学的な表現を発見した。 改良を施したデータ処理ソフトウェアは既に申請者個人の web サイト http://www.takashiida.com/ で公開し,現在はさらに汎用性を高めるための改造に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で公開するソフトウェアに関するドキュメンテーションを充実させ,当面は論文発表・ヴァーチャル国際会議などで広く周知させること,さらにソフトウェアの汎用性を高めるための基礎研究,実証試験を重ねることを計画している。
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Research Products
(1 results)