2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the redox mechanism of iron in scorodite crystal synthesis for the innovation of arsenic treatment technology
Project/Area Number |
19H02753
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70312650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 淳 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70451862)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | スコロダイト / ヒ素 / 非鉄製錬 / 安定固定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度、安定同位体鉄の実験からは、ヘマタイト(Fe(III)2O3)添加法において、スコロダイト結晶を構成するFe(III)の約80%が溶液中のFe(II)由来であることが明らかとなった。これより、ヘマタイト添加により生成するゲル状前駆体はFe(III)とともに溶液から取り込まれたFe(II)で構成されており、そのFe(II)がヘマタイト由来のFe(III)と電子交換(Redox反応)を行うことで前駆体がスコロダイト結晶に転換することが示唆された。 また、固体酸化鉄(III)としてマグネタイト(Fe(II)Fe(III)2O4)を用いたスコロダイト合成における溶液pH(4.0, 3.0, 2.0, 1.5, 1.0, 0.5)の影響を前年度に引き続き調査した。その結果、下記のように詳細な結果を得ることが出来た。反応時間60minにおけるAs(V)濃度はpH=1.5を境目に大きく異なり、高pH条件ほどAs(V)濃度低下が速いことが分かった。反応時間60 minでは、pH=4.0と3.0の条件ではゲル状前駆体が確認されるのに対し、pH=2.0と1.5の条件ではほぼスコロダイト結晶のみが確認された。反応終了の420minでは、pH=4.0の条件のみゲル状前駆体が残存していたが、その他の条件ではスコロダイト結晶までの生成が確認された。 廃液循環利用の実験では、合成条件を調整した廃液循環利用(計三回)実験で得られたスコロダイト結晶粒子は、一部前駆体の残存や未反応のヘマタイト粒子の混在が見られたが、どの循環利用回数でも10μm以上のファセット状のスコロダイト結晶粒子が得られた。今回の基礎的検討から、ヘマタイト添加法では、廃液循環利用は複雑なプロセスを経ることなく十分に実現可能なことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)