2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H02778
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
麻生 隆彬 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50548378)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲル / リンクル / マニピュレータ / 刺激応答性高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、繊細かつ正確な微小ソフトマテリアルの精密操作を水中で実現するために、外部刺激で表面形態が制御可能なリンクルマニピュレータを開発する。 今年度は、表面トポロジーを外部刺激で制御可能なハイドロゲル表面を開発した。まず、ゲル表面のみが座屈し、リンクル構造を表面に持ったハイドロゲルの作製技術を確立した。弾性基板上に異なる弾性率の薄膜を形成させたとき、座屈不安定化によりリンクル構造を形成することが知られている。電場印加によってカチオン性ゲル上にポリイオンコンプレックス (PIC)を形成させることで、ゲル表面が座屈不安定化し、リンクル表面が形成した。電気泳動時の印加電圧や電気泳動時間を変化させることでリンクルの波長や振幅を制御できた。また、ゲルの弾性率を変化させることでリンクルの波長を、ゲルの延伸率を変化させることでリンクルの配向と形状を制御できた。種々条件検討により任意の形状および波長、振幅をもつリンクル構造をゲル上に形成できることがわかった。 次に、刺激応答性の動的リンクル表面を作製した。外部刺激として温度刺激を選択し、温度変化に応答して、リンクル表面と平面がスイッチするハイドロゲル表面の作製条件を見出す。温度応答性高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) (PNIPAAm)ゲル状上にリンクル構造を形成させた結果、温度上昇に伴いリンクル構造が消失することがわかった。これはゲルの弾性率が温度で変化したためである。さらに、リンクル形成時の条件を調整することで、外部刺激に応答して、形状を変化可能なハイドロゲル表面の作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンクル形成条件の最適化および刺激応答性リンクルの構築等、計画通りに進行している。また、ゲルの延伸によって配向リンクルを得られる結果は当初予定していなかったもので、リンクル構造を精密制御する上で有意義な知見である。
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Strategy for Future Research Activity |
動的リンクルの作製およびモデル粒子の捕捉実験に着手し、当初の研究計画に従って研究を推進する。
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Research Products
(22 results)