2021 Fiscal Year Annual Research Report
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19H02778
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
麻生 隆彬 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50548378)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ゲル / リンクル / マニピュレータ / 刺激応答性高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンクルの形成過程を詳細に調べた。電場印加すると直ちにゲル表面にリンクル構造が形成した。印加時間の延長に伴い、リンクルの形状はランダムに変形を続け、最終的に構造が固定された。波長はリンクル形成の早い時間スケールで生長が止まったにもかかわらず、振幅Aはその後も増加し続けた。波長の増加にはPIC層の厚さ (t)および弾性率 (EPIC)が寄与していることはすでに明らかにしている。振幅は基材の面内圧縮によって記述できるが、本系ではゲルに対して圧縮を加えていない。したがって、振幅にはPICの表面積増加が関与すると考えられる。波長が変わらず振幅が増加する過程は、PICの密度と厚みを変化させずに、表面積が拡大していることを示唆している。すなわち、高分子電解質が連続的にゲル界面へ集積されることによりPIC層は面方向へ拡張し、その生長を緩和するためにゲル表面は最安定な形状をとり、連続的に座屈しながら変形を続けると考えられる。この連続的な波打ち現象の方向性を応力で制御することができれば、ゲル表面に進行波を生成することができ蠕動運動を実現できると考えた。前年度までにゲルを一方向へ圧縮した環境下でリンクル構造を形成させると、配向リンクルが形成することを明らかにしている。そこで、一軸圧縮下でリンクル構造を形成させると、その形成過程で配向リンクルが圧縮方向へ移動することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進行波の生成方法を明らかにし、一方向へ物質を輸送するアクチュエータの設計指針を見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
一方向へ物質を輸送可能なリンクル表面を作製する。
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Research Products
(33 results)