2021 Fiscal Year Annual Research Report
超解像顕微鏡観察に基づく粘弾性相分離型高分子安定化ブルー相の創製
Project/Area Number |
19H02779
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
奥村 泰志 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50448073)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超解像顕微鏡 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 液晶 / 高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子安定化ブルー相中の線欠陥に類似していながら、線欠陥間の距離が十分に離れている系として、本年度はGrandjean-Canoくさびセル中に作製した高分子安定化キラルネマチック相を共焦点レーザー走査型顕微鏡(CLSM)と確率的光学再構築顕微鏡(STORM)で観察した。液晶にキラル剤、モノマー類、光重合開始剤を添加して、くさびセル中でin-situ UV重合を行った。重合後のセル開口部から反応性STORM用蛍光色素を拡散させて、生成した高分子と反応させてから蛍光顕微観察を行った。UVの照射エネルギーの面密度を一定に保ちながら照射強度を変化させたセルをCLSMで観察すると、照射強度が強い場合、線欠陥への高分子の凝集は観察されなかった。一方、照射強度が弱い場合は線状構造が平面像でも断面像でも観察され、線欠陥近傍への高分子の凝集が示唆された。重合で高分子の分子量が増大すると、その周辺の液晶配向が乱れて不安定化するが、線欠陥近傍のひずみ場により弾性的に高エネルギーの液晶がこの高分子に置換されると自由エネルギーが安定化する。照射強度が大きいと高分子が線欠陥へと拡散する時間が足りずに局在化は観察されないが、照射強度が弱いと重合反応速度が抑制され、線欠陥近傍まで拡散してから凝集が進行したと考えられる。この高分子構造をSTORM観察した結果、CLSMでの分布と一致していながらも、厚み方向に分解能のあるCLSMよりもさらに極めて薄くスライスした領域の高分解能の像が観察された。検出された輝点数が十分とは言えないため、ノイズレベルの面では満足は出来ない画質であるため、今後は疎水環境であるサーモトロピック液晶中でもSTORM用蛍光色素の明滅を促進する条件の探索が必要と考えられる。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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