2020 Fiscal Year Annual Research Report
世界最高の電子移動度を示す電子不足型有機半導体高分子の開発
Project/Area Number |
19H02786
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
道信 剛志 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (80421410)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 有機半導体 / 半導体高分子 / トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、有機半導体高分子を用いて電子移動度10 cm2 V-1 s-1を超えるトランジスタ特性を実現することを目標としている。ベンゾビスチアジアゾール(BBT)および窒素置換したベンゾビスチアジアゾール(SN)誘導体を共モノマーと重合して、平面性が高い主鎖骨格を得る道筋を調査した。SNモノマーの共モノマーとして、正孔注入および正孔輸送特性を抑制できるナフタレンジイミド(NDI)や縮環オリゴフェニレンビニレン(OPV)誘導体を用いるとn型のみで作動するトランジスタを実現することができた。重合条件を検討し、以前に使用していたトルエンより高沸点の溶媒であるクロロベンゼンを用いた方が高分子量体が得られることを見出した。得られた高分子は紫外-可視-近赤外域に吸収を有しており、共役系が十分に広がっていることを確認した。電気化学測定したところ、酸化波は観測されなかったが、明確な還元波が現れた。ボトムゲートトップコンタクト型トランジスタを作製し、トランジスタ特性を評価したところ、電子輸送のみが観測され、n型トランジスタとして作動した。薄膜を熱アニーリング処理すると結晶性が向上するため移動度が改善されることを明らかにした。また、アルケンスペーサーを導入すると立体障害が低下すると共に分子内水素結合によりモノマーの自由回転が抑制され、高分子主鎖の平面性が向上することが、薄膜のX線回折測定やDFT計算より明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、共モノマーの選択によって正孔輸送を抑制し、電子輸送型高分子を作製できることを実証したため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
共役高分子主鎖の他に溶解性を確保するためにアルキル側鎖を導入している。適切な側鎖構造を選択することで溶解性と結晶性を両方とも最適化することができるはずである。
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[Journal Article] Cross-linking of Poly(arylenebutadiynylene)s and Its Effect on Charge Carrier Mobilities in Thin Film Transistors2021
Author(s)
S. Otep, K. Ogita, N. Yomogita, K. Motai, Y. Wang, Y.-C. Tseng, C.-C. Cheuh, Y. Hayamizu, H. Matsumoto, K. Ishikawa, T. Mori, T. Michinobu
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Journal Title
Macromolecules
Volume: 54
Pages: 4351-4362
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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