2019 Fiscal Year Annual Research Report
Electrochemical construction of nanostructured copper oxide photocathodes for high performance water-splitting hydrogen gas generation
Project/Area Number |
19H02810
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
伊崎 昌伸 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30416325)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 銅酸化物 / 水素生成光カソード / 光電気化学 / 積層体 / ナノ混合体 / Cu2O / CuO / 光電流密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、CO2排出量の大規模削減に資する太陽光活用水分解水素生成用高効率・高安定性光カソードを実現することを目的として、熱力学に立脚して提案した新規Cu錯体水溶液から光・電気化学反応によりCu2OとCuOから構成される積層体・ナノ混合体・超格子を構築し、大きな光電流密度を実現すると共に、キャリア輸送特性と光カソード特性の定量的解析からナノ構造化効果を解明し、高効率化の指針を明確にする。さらに、電気化学的に表面保護酸化物層を選定・形成し、光カソード安定性を向上させる。2019年度には、まず電気化学的に形成したCu2O層の加熱により作製したCuO/Cu2O積層体において両層が光電変換層として機能することを実証し、加熱により導入される欠陥が光電変換機能を阻害することを明らかにした。そこで、陰分極によりCu2O、陽分極によってCuO層を形成できるCu-酒石酸錯体水溶液を熱力学に立脚して設計し、Cu2O層とCuO層を単一水溶液から電位制御により作製すること、電位スイッチングと光励起による少数キャリア制御を組み合わせることによって、Cu2O/CuOならびにCuO/Cu2O積層体を形成することに成功し、反応機構、構造ならびにエネルギー状態を明らかにした。AM1.5G-1sun条件で測定したCuO/Cu2O積層体の光電流密度は、CuOならびにCu2O単層の約13倍に増加するとともに、加熱処理によりさらに向上することが明らかとなった。2020年度に実施予定であった電位スイッチングの高周波化によるナノ混合体化にも成功し、光電流密度が増加することも明らかになった。また、CuO光カソード上にn-ZnO層を光電気化学的に形成し、水素発生電位(RHE 0V)での金属Cuへの還元を抑制し、従来報告値の3倍以上の光電流密度を得るとともに、水素発生安定性を著しく向上させることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年度において、CuO,Cu2Oならびにその積層体を、光・電気化学反応により形成できるCu錯体水溶液を熱力学に立脚して設計し、単層ならびに積層体の形成に成功するとともに、析出反応、構造、エネルギー状態を明らかした。また、光電気化学高周波電位スイッチング法によるナノ構造化CuO-Cu2O光カソードの形成と光電流密度の増加も見出し、光電流密度増強とその機構も明らかにした。さらに、表面保護層としてZnO層を選定し、光電気化学反応によるZnO/CuO光カソードを形成し、従来報告値の3倍以上の光電流密度と水素発生安定性の著しい向上も達成した。すでに、2020年度以降に行う予定であった、ナノ構造化CuO-Cu2O光カソードの作製、ならびに光電流密度向上ならびに選定した表面保護層(ZnO)による光電流密度増加と安定性向上に関しても成果が得られていることから、①当初の計画以上に進展している、と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の遂行により従来報告値を超える希土類元素を含有しないナノ構造化Cu-O光カソードが実現しつつあるが、水素発生に伴う水の変化ならびに対極となる光アノードの光電流密度の増加に関する研究の必要性も顕在化しつつある。そのため、本研究課題の成果をより効果的に活用し、発展させるためには、水溶液や光アノードも含めた水素発生装置全体に関する研究を推進する必要性がある。そこで、申請者がすでに保有するZnO ナノワイヤを光アノードに応用し、ナノ構造化Cu-O光カソードとのマッチング上でのその課題を明確にする。
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Research Products
(12 results)