2019 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19H02830
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
上野 隆史 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (70332179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 忠臣 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (10431834)
山下 恵太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (20721690)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞内結晶化 / タンパク質工学 / 結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
結晶化機構の解明には、結晶を構成する蛋白質単量体間の相互作用の理解が重要である。異なる種の多角体結晶構造の比較から申請者はいくつかの領域が多角体ウイルスの内包に関わる領域であり、結晶化に必須の相互作用を有する領域ではないと考えた。そこで、研究代表者が各領域を遺伝子工学的に欠損させた変異多角体を作成し、ウイルスを含まない多角体結晶で実験を進めた。具体的には、単量体あたり8残基から50残基の欠損部位を有する変異多角体を作成した。複数の領域を同時に欠損させることにより、結晶内で大きな空間が形成された。得られる結晶が数μmの微小サイズであることから、微小結晶に特化した大型放射光施設BMにてデータ収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、多角体モノマー中のループ領域へミニタンパク質を融合した複合結晶を設計した。各種同定により結晶形成を確認し、得られた約1umの微小結晶から、SPring-8の微小結晶用ビームラインを用いて高分解能の構造解析に成功した。複合結晶内のミニタンパク質領域は、周辺残基との相互作用により構造が安定されていた。
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Strategy for Future Research Activity |
多角体結晶のエンジニアリング(2020年度) 前年度に合成した変異結晶を鋳型とし、ペプチドフラグメントを導入した変異多角体の結晶を作成する。欠損領域の組合せにより、欠損変異体では結晶内での多角体集積に伴う特徴的な空間が形成される。そこで、その部位にふさわしい残基数や構造を有するペプチドフラグメントを融合する。当初は10残基程度を融合させる。さらに、大きなフラグメントの導入も試みる。前年度に確立したスクリーニング手法で結晶を得る。
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