2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of the host target of rhizobial effector and its activation of symbiosis signaling
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19H02860
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岡崎 伸 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40379285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 誠 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (30291933)
箱山 雅生 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (60422804)
下田 宜司 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (80415455)
田淵 光昭 香川大学, 農学部, 教授 (00294637)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 根粒菌 / 共生 / ダイズ / エフェクター / III型分泌系 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 根粒菌エフェクターと相互作用する宿主標的因子の検索・・・根粒菌エフェクターORF5208が、宿主ダイズ側のどのようなタンパク質と相互作用するかYeast two hybrid法により検索した。ダイズ根や根粒から抽出したRNAからcDNAライブラリーを作製し、エフェクターORF5208の全長、およびULP(Ubiquitin-like peptidase)ドメインに相当する部分をベイトとして使って、相互作用するダイズタンパク質を検索した。その結果、16個のダイズ遺伝子が相互作用する候補タンパク質として得られた。候補タンパク質の中には、他の植物等で植物病原菌の認識に関わると報告されているものも含まれていた。
2. ORF5208の生化学的解析・・・ORF5208はULPドメインの他に、核移行シグナルやEAR(ethylene-responsive element-binding factor-associated amphiphilic repressions)モチーフ、リピートドメインを含んでいる。各部分の根粒共生誘導能力における役割を明らかにするため、当該部分のアミノ酸置換や欠失変異株を作製し、ダイズとの共生能を調査した。その結果、ほとんどの部分が根粒共生誘導に必要であることが明らかとなった。
3. 出芽酵母発現系を用いたORF5208の機能解析・・・植物病原菌のエフェクターでは、出芽酵母発現系を用いた機能解析により、宿主因子同定やエフェクター活性の検出など、重要な知見が得られている。ORF5208の機能解析のため、出芽酵母内で発現させたところ、増殖阻害を引き起こした。ORF5208のULP活性中心変異体を発現させた場合においても酵母増殖阻害を引き起こしたことから、ORF5208が酵母タンパク質と相互作用することで、本来の細胞機能を阻害し、増殖阻害を引き起こしている可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
根粒菌エフェクターと相互作用する宿主標的因子の候補をYeast two hybrid法により16個得ることができた。また、エフェクターに存在する核局在シグナルやERAドメインなど、多くの部位が根粒共生誘導能に関わることを明らかにすることができた。さらに、出芽酵母発現系を用いたエフェクターの機能解析系も利用可能となったことで、今後、エフェクターの機能や宿主標的因子との相互作用について解析する基盤が整ったと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでYeast two hybrid法で得られた根粒菌エフェクターと相互作用する宿主標的因子の候補について、1対1のYeast two hybrid法や、Pull down法により相互作用を確認する。また、エフェクターによる宿主標的因子の修飾や分解を出芽酵母発現系や大腸菌発現タンパク質を用いて解析する。特にエフェクターORF5208には脱SUMO化活性を持つと予測されるULPドメインがあり、宿主標的タンパク質を脱SUMO化することで、標的タンパク質の活性や局在、他タンパク質との相互作用を制御している可能性が考えられるため、出芽酵母発現系や大腸菌発現タンパク質を用いてORF5208の生化学的な活性を証明することを中心課題とする。
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Research Products
(2 results)