2019 Fiscal Year Annual Research Report
Cultivation of unculitivated microorgasnisms and clarification of growth controling mechanisms by focusing on microbial interactions
Project/Area Number |
19H02873
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
青井 議輝 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (40386636)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田一 智規 広島大学, 工学研究科, 助教 (10379901)
中尾 洋一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60282696)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 実環境中での培養 / 休眠・覚醒 / GMD培養 / 微生物間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、革新的な分離培養法を確立して環境中から難培養微生物を培養化すること、ほとんどの微生物が培養できない理由(未知増殖制御機構)を発見・解明することを目的としている。具体的には、1)微小テクノロジーを活用した、微生物間相互作用を高度に再現する新規分離培養手法の確立、2)未培養種の網羅的分離培養(手法の実証)、3)微生物間相互作用を介した未知増殖制御機構(休眠から覚醒を誘導するシグナル因子)の発見と解明を計画している。本年度は主に、1)In situ培養法を用いた海洋性カイメンからの未培養微生物の獲得、2)超高密度植菌培養法を用いた多様な環境からの分離株の獲得、さらに3)上記で得られた分離株を用いた微生物間相互作用を解明するアッセイ方法の確立および微生物間相互作用によって増殖が顕著に増加する菌株ペアの獲得について検討した。具体的な成果を以下に挙げる。 1)in situ培養法を用いた海洋性カイメンから未培養微生物を含む多様な分離株を獲得した。 2)超高密度植菌培養法(GMD油中凝集培養法)を用いて、下水および土壌環境などから多様な分離株を獲得した。 3)微生物間相互作用によって増殖が顕著に増加する(増殖を開始する)微生物をスクリーニングするアッセイ方法の確立に成功した。さらに上記手法を用いることで微生物間相互作用によって増殖が顕著に増加する(または増殖が誘導される)複数の菌株ペアの獲得に成功した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、分離株の獲得および増殖に直接的に及ぼす相互作用の発見、およびそれらを示す複数の菌株の獲得に成功していることから計画は概ね予定通りに進行していると思われる。このため達成度は上記のとおりとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究の全体計画は以下の内容(項目)から構成されている、具体的には、1)微小テクノロジーを活用した、微生物間相互作用を高度に再現する新規分離培養手法の確立、2)未培養種の網羅的分離培養(手法の実証)、3)微生物間相互作用を介した未知増殖制御機構(休眠から覚醒を誘導するシグナル因子)の発見と解明を計画している。前年度までにおいて1)および2)は完了している。また3)の一部についても手をつけることができた。そこで、今後は項目3)の相互作用の解明とくに覚醒を誘導するシグナル因子の発見(化合物の分離精製)を進める。また、新規な分離培養手法を用いた分離株の獲得も試行する。
|