2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of unique autothermal thermophilic digestion process showing no nitrification and denitrification
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19H02875
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
酒井 謙二 九州大学, 農学研究院, 教授 (50205704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 幸寛 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90448481)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SDGs / ATAD / 有機排水処理 / 高温好気消化 / 自吸式通気撹拌装置 / 液肥 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は自吸式通気撹拌装置を設計・製作依頼し,独自のラボスケール自吸式通気撹拌培養装置を導入することで実験室内での各種条件検討を行う体制を整えた.これを用いてT-ATADの特徴的な現象が通気撹拌装置と馴養微生物に起因していることを明らかにすることができた(投稿中).これは,自給式通気改版装置の持つ特性のうち,同レベルの包括的酸素供給速度係数下における剪断力の違いあるいは発生マイクロバブルの安定性の違いによるものと推察され次にそれぞれの要素のいずれが重要かについての検討を2020度開始した.同時に,各レベルの包括的酸素供給速度係数下におけるし尿消化挙動を検討した.その結果,中間的な設定時において窒素蓄積と有機酸分解消化が最大となる適正値があることが判った(論文作成中).さらに,特に維持温度の特性から分けられる3フェーズの遷移が細菌群集構造と特徴的理化学的性質の変化にどのように影響するか検討した.そのため,各種培養実験の効率性を高めるために高額物品として小型高温振とう培養機(プロデバイス)を購入した.温度調整プログラムにおいて実機で観察される3フェーズのそれぞれの温度帯をスキップしたプログラムを設定し消化実験を行った.その結果,特に消化開始後の急激な温度上昇期(初期フェーズ)の存在がその後の理化学および菌叢変化に大きく影響していることが判った(論文作成中).従って,初期における酸素供給系の最適化および制御を確実に行うことが今後のプロセス改善にも有効であると思われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で材料の現場入手その他で制限があったものの,提示したラボスケールの検討装置の有効性が高いことが判った.これによりこれまでに類例のない詳細なATAD処理条件の検討が可能となり,着実に清雅が得られつつある.一方,登録研究者とともに学生による実験補助についても活動制限が課され,ATAD系の重要細菌の分離作業については依然として高い障壁を越えられていないため,今後さらに注力していく. また,学会発表についても大幅に影響を受けたが,最終年度は論文投稿とともに積極的に活動する.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度はATADの特殊性の理由を確実に言及できるところまで進めたい.また,難培養性微生物の分離・同定については現在の方法の成功の可否を最初四半期までに判断し,困難が超えられない場合は,これまでに蓄積した各種情報をフローサイトメータを用いた単細胞分離と全ゲノム解析へと変更を考えていく,
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