2021 Fiscal Year Annual Research Report
老化依存的な味感受性低下の発生要因の解明と抗老化食品成分によるその抑制効果の検証
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19H02905
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
成川 真隆 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (50432349)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 老化 / 味覚 / 認知機能 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、老化依存的な味感受性低下の発生要因を明らかにするための一環として、主に中枢の機能劣化と味感受性との関係について検討を進めた。 過去の研究において、認知・記憶機能が味感受性に影響を与えることが示唆されている。そこで、まずアルツハイマー(AD)病モデル動物を対象として、認知機能の劣化が味感受性に与える影響を評価した。ADモデル動物として、アミロイドβを内因的に過剰生産するADのノックインマウスモデル(App KIマウス)を用いた。味感受性は、認知機能障害を確認した12か月の老齢マウスを使用して、2種類の行動アッセイ(短時間リックテストと48時間2瓶選択試験テスト)によって調べた。その結果、いずれの行動アッセイにおいても、野生型とApp KIマウスの味感受性の間で有意な差は認められなかった。また、味覚乳頭における各種味覚マーカー分子の発現も比較検討したが、その発現パターンに明確な違いは観察されなかった。つまり、App KIにおいて味感受性の低下は認められなかった。次いで,老化促進モデルSAMP1マウスを対象として、味感受性と短期記憶能力の経時変化を若齢群と高齢群で観察した。70週齢の時点において、若齢群の味感受性との間で有意な変化を観察した。しかし一方で、短期記憶能力に若齢群との間で有意な低下は認められなかった。80週齢の時点において、短期記憶能力に加齢の影響が観察され、有意な低値を示すことがわかった。したがって、短期記憶に加齢の影響が認められるよりも前に、味感受性の変化が進行している可能性が示唆された。これらの結果から、認知や記憶機能が老化に伴う味感受性変化の原因とはなり得ないとが考えられた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)