2019 Fiscal Year Annual Research Report
客観的呈味測定技術の改良と天然成分由来呈味調節物質の探索
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19H02907
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三坂 巧 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40373196)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食品 / 食品機能 / 嗜好性 / 味覚受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
食品の味は、その価値を決定づける重要な因子である。近年同定された味覚受容体の機能解析研究の成果により、官能評価に依らない客観的な呈味強度評価が実験室レベルではできるようになった。本研究では、より広範囲の溶液に対する呈味評価を実現させる目的で、味覚受容体の活性測定における感度上昇や、溶液中の夾雑物等に影響を受けない測定を目指した客観的呈味測定法の技術改良を実施していく。 甘味受容体と同じファミリーに属する旨味受容体については、細胞外領域のリガンド結合部位とは異なる場所に、電荷を消失させるような1アミノ酸点変異を導入することで、受容体のリガンドへの感度・応答性を顕著に応答させることに成功している。甘味受容体についても同様のアイデアが適用できることを予想し、細胞外領域の点変異体を多数作出し、応答測定を行うという計画を実施している。 旨味受容体における変異導入部位などを参考に、合計47種類の変異体をデザインし、一過的発現系において甘味物質に対する応答性が残存している変異体の選抜を行った。応答が確認できた各変異体については、安定発現用の発現コンストラクトを構築し、安定発現細胞株の作出・応答測定を実施しつつある。現在までにそのらのうち、20種類以上の点変異体について、安定発現細胞株の樹立までを終了した。今後応答測定を実施し、野生型甘味受容体と比較して感度・応答性を顕著に変化させる変異体が存在するかどうかについて測定を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に沿った解析が実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降の計画についても、順次、実行していく。
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