2022 Fiscal Year Annual Research Report
油脂の嗜好性が肥満を誘導する機構と肥満を抑制する機構
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19H02909
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
松村 成暢 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (70467413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 勉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座准教授 (20534879)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脂肪 / 肥満 / 神経細胞 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
Melanocortin-4 receptor (MC4R)は食欲とエネルギー代謝を調節する脳神経細胞に発現する受容体である。MC4Rの遺伝的欠損や変異による機能喪失はヒトやげっ歯類において、過食を誘導し、肥満を招くことが報告されている。MC4RはGタンパク共役型の受容体であり、リガンドとの結合により細胞内cAMP濃度を上昇させ、転写因子CREBを活性化する。我々は今回MC4Rを発現する神経におけるCREBが遺伝子発現を介して神経機能を制御し、油脂への欲求を調節しているという仮説を立て検討を行った。そこでCre/loxpシステムを利用してMC4R発現細胞特異的にCREB coactivatorであるCRTC1を欠損したマウスを作製し検討を行なった。 MC4R神経特異的CRTC1欠損マウスは市販の標準食を与えて飼育すると野生型マウスと同様の成長、体重増加を示した。しかしながら高脂肪食を与えるとMC4R神経特異的CRTC1欠損マウスは顕著に肥満することが明らかとなった。MC4R神経特異的CRTC1欠損マウスは高脂肪食を過剰に摂取するとともにエネルギー代謝の低下が観察された。このためMC4R神経のCREB/CRTC1は油脂の過食を抑制し、エネルギー代謝を亢進する役割を持っていることが示唆された。また、MC4R神経特異的CRTC1欠損マウスは高脂肪食を摂取することにより糖尿病を発症することが明らかとなった。詳細な機構は不明であるが脳内CRTC1およびMC4Rは末梢組織の糖代謝を制御することが示された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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