2020 Fiscal Year Annual Research Report
2型自然免疫における小腸刷子細胞受容体の機能解明と食品への応用展開
Project/Area Number |
19H02915
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
石丸 喜朗 明治大学, 農学部, 専任准教授 (10451840)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 受容体 / 消化管 / 代謝 / 免疫 / 遺伝子破壊マウス / 刷子細胞 / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸刷子細胞は、アレルギー性疾患や寄生虫感染に対する2型免疫応答の始動において、センサーとして重要な働きをする。本研究では、小腸刷子細胞の頂端部に局在することを研究代表者自らが発見したオーファン受容体Gprc5cの生理機能を解明し、アレルギー性疾患や肥満・糖尿病の予防や治療に繋げることを目的とする。 前年度までに構築した刷子細胞を赤色蛍光タンパク質tdTomatoで標識したマウスの生体カルシウムイメージング解析系を用いて、刷子細胞のリガンドとして知られているコハク酸とsalicinに対する応答を調べた。その結果、リガンド投与によって、tdTomato陽性細胞の周囲において蛍光比の上昇が観察された。 次に、マウスの寄生虫感染モデルとして広く利用される、線虫N.brasiliensi(Nb)に対する刷子細胞の応答を可視化することを目的とし、生体イメージング法によって調整方法が異なる2種類のNb代謝産物を含む試料に対する応答を解析した。線虫サンプルは、RPMI-1640培地中にNbを生育させて得られた上清(NES)と、NbをPBS中でホモジナイズしたもの(Nb破砕サンプル)を作製した。生体イメージング法による解析では、NESの投与によって刷子細胞とその周囲においてカルシウム濃度が上昇する様子が観察された。しかし、Nb破砕サンプルに対する応答は検出されなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸管を用いた生体カルシウムイメージング解析系を用いて、コハク酸とsalicinおよびNESに対する応答が観察できたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
野生型及びGprc5c受容体欠損マウスにおいて、小腸粘膜固有層(SI LP)に存在する2型自然リンパ球ILC2(PI-、Lineage-、CD45+、PE+、Sca-1+)の細胞数をFACSを用いて測定する。
|