2021 Fiscal Year Annual Research Report
ピースミールオートファジーを介したフレキシブルな葉緑体機能衰退のメカニズム
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19H02919
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 宏幸 東北大学, 農学研究科, 教授 (60312625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オートファジー / 葉緑体 / Rubisco / 栄養リサイクル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の2項目を中心に解析を行った。 1. RCBおよびプラスチドボディー(PB)の膜動態の解析:葉緑体のRCBを介したピースミールオートファジーの過程では、隔離膜が葉緑体表面の突出構造にとりつきくびれを生じさせ、最終的に小胞形成に至る様子が、隔離膜やオートファゴソームのマーカーであるGFP-ATG8を用いた解析で確認された。サイトゾルにプラスチドボディー(PB)を過剰蓄積するgfs9変異体においても、同種のマーカーであるRFP-ATG8がプラスチド表面の突出構造を覆うように局在していることが確認された。しかしながらgfs9変異体において形成後のほとんどのPBにはRFP-ATG8のシグナルは見られなかった。この結果は、gfs9においてプラスチドボディーはプラスチド本体から切り出される途中や、その直後はRFP-ATG8eでラベルされたオートファゴソーム膜に包まれているが、その後はオートファゴソーム膜が失われた状態で蓄積していることを示唆した。
2.RCB経路におけるATG8アイソフォームの役割の解析:ATG8をa~dの4種類持つイネを材料に、ゲノム編集技術により各ATG8遺伝子をノックアウトさせた系統を複数作出した。さらに作出したATG8シングルノックアウト変異体を交配させ、ATG8ダブル及びトリプルノックアウト変異体を複数系統確保した。総ATG8タンパク質の蓄積に対して最も寄与が大きいのはATG8c遺伝子であった。一方、ATG8aシングルノックアウト、 ATG8bシングルノックアウト、 及びATG8abダブルノックアウトは、ATG8タンパク質の蓄積に対して影響を与えなかった。ATG8dについては、ATG8a~cと異なり、調べた限りの組織や時期においてタンパク質レベルでの発現が確認されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ATG8ノックアウト変異体については、目的とするATG8a~dすべてについて確かな系統を複数確保することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
作出したATG8ノックアウト変異体におけるRCB経路発動の解析を進めて、論文化を目指す。
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[Journal Article] GFS9 affects piecemeal autophagy of plastids in young seedlings of Arabidopsis thaliana2021
Author(s)
Ishida, H., Okashita, Y., Ishida, Hiromi, Hayashi, M., Izumi, M., Makino, A., Bhuiyan, N.H., van Wijk, K.J.
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Journal Title
Plant Cell Physiol.
Volume: 62
Pages: 1372-1386
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] GFS9 affects piecemeal autophagy of plastids in young seedlings of Arabidopsis2022
Author(s)
Ishida, H., Okashita, Y., Ishida, Hiromi, Hayashi, M., Izumi, M., Makino, A., Bhuiyan, N.H., van Wijk, K.J.
Organizer
10th International Symposium on Autophagy
Int'l Joint Research
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