2022 Fiscal Year Annual Research Report
ピースミールオートファジーを介したフレキシブルな葉緑体機能衰退のメカニズム
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19H02919
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石田 宏幸 東北大学, 農学研究科, 教授 (60312625)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オートファジー / 葉緑体 / Rubisco / ATG8 / 液胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は以下の2項目を中心に解析を進めた。 1. RCBの膜動態と液胞への輸送過程の解析:葉緑体のピースミールオートファジーの過程で、隔離膜が葉緑体表面の突出構造にとりつき、くびれを生じさせ最終的に小胞形成に至る様子を高精細なライブセルイメージングで捉えることができた。RCBが隔離膜の成熟化に伴って葉緑体本体から切り離される過程では、ダイナミンやその他の葉緑体分裂リングのリクルートにかかわる因子群は必須ではなかった。 2.RCB経路におけるATG8アイソフォームの役割の解析:オートファジーにおける基質選択性の鍵因子であるATG8について、CRISPR/Cas9システムによるゲノム編集法を用いてATG8a~dの4種類の単一および多重欠損変異体イネを整備した。葉においては生育段階が進むにつれて全てのATG8 mRNA量が増加した。またオートファジーが重要な役割を果たす幼穂では、ATG8 mRNAの総量が他の器官に比べて特に高かった。野生体におけるATG8発現量の割合は、系統I-ATG8(a + b +c)が95%、系統II-ATG8(d)が5%であった。系統I内での割合は、aとcが同程度で、bに比べて高かった。atg8bc二重変異体ではATG8a、atg8d変異体では系統I-ATG8のmRNA量が増加した。ATG8タンパク質は、系統Iではfree ATG8とATG8-PE結合型の両方が検出されたが、系統IIではいずれも検出されなかった。系統I-ATG8タンパク質量はatg8c変異により著しく減少したが、atg8aやatg8b変異では影響がなかった。以上から基底レベルで存在するATG8タンパク質は主に系統Iであり、特にATG8cの割合が高いことが示唆された。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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