2021 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン修飾を介した炭素代謝系の環境応答機構の解明
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19H02923
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中務 邦雄 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (90547522)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ユビキチン / 小胞体 / 品質管理機構 / リボソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、飢餓状態におけるリボソーム生合成の制御に関する研究を論文をまとめた。飢餓状態ではリボソームの生合成に関わる因子群(ribi)の発現が抑制される。ribiの抑制に関わる転写因子としてDot6/Tod6が知られている。Dot6/Tod6は富栄養状態においてはTORC1の下流でリン酸化により不活性状態にあるが、飢餓状態になるとTORC1の不活化に伴い脱リン酸化状態となり活性化される。活性化されたDot6/Tod6はribiの発現を抑制することで、リボソーム生合成を抑制する。しかし我々は、飢餓状態においてDot6/Tod6がユビキチン・プロテアソーム系を介して速やかに分解されることを見出した。解析を進めたところ、Dot6/Tod6の分解は、リボソーム生合成の抑制を緩和し、リボソーム量を微調整する機構(ファインチューニング機構)として機能していると考えられた(Kusama et al., iScience 2022)。その他、小胞体ユビキチンリガーゼHrd1の変異体を酵母遺伝学的スクリーニングにより単離した(Nakatsukasa et al., Current Genetics, 2022)。小胞体品質管理機構について総説を執筆した(Nakatsukasa, International Journal of Molecular Sciences, 2021)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に3本の原著論文(責任著者)、1本の共著論文を発表した。特に、リボソーム生合成のファインチューニング機構の研究においては、新しい課題が明確となり、研究を継続している。以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
リボソーム生合成のファインチューニング機構の研究においては、飢餓時に翻訳量が担保されるタンパク質の同定を目指す。
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