2022 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン修飾を介した炭素代謝系の環境応答機構の解明
Project/Area Number |
19H02923
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中務 邦雄 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (90547522)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 出芽酵母 / 代謝 / タンパク質分解 / リポリシス / トリアシルグリセロール |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内でトリアシルグリセロール(TAG)は脂肪滴と呼ばれるオルガネラに貯蔵されている。TAGはリパーゼを介したリポリシスにより加水分解され、遊離した脂肪酸はエネルギーや生体膜の出発材料として使われる。リポリシスの活性は、細胞の環境と密接にリンクしている。たとえば、細胞周期のS期以降は細胞分裂に向けて大量のエネルギーと生体膜の合成を必要とするので、リポリシスが活性化される。同様に、細胞が休止状態から増殖に転じるときにも大量のエネルギーと生体膜の合成を必要とするので、リポリシスが活性化される。しかし、リポリシスの活性を制御するメカニズムには不明な点が多い。リポリシスの不全は、ヒトでは肥満やリポジストロフィーなど、重篤な疾患の引き金となることが知られている。したがって、リパーゼの活性制御のメカニズムは、医学薬学の観点からも重要な課題である。 出芽酵母のTgl4は、 adipose triacylglycerol lipase(ATGL)の機能的オルソログである。Tgl4はCdk1/Cdc28を介したリン酸化によって活性化され、G1/S以降を促進する。しかし、細胞周期においてTgl4がどのように不活性化されるか、そのメカニズムはほとんど明らかにされていない。内因性Tgl4のリン酸化状態の解析を目的として、我々はTgl4に対する特異的抗体を作製した。その結果、Tgl4はこれまで合成後速やかに分解される短寿命タンパク質と考えられていたが、Tgl4は細胞周期を通して安定なタンパク質であることがわかった。また、Tgl4は細胞がG1期に入ると脱リン酸化されることもわかった。本成果はBiochemical and Biophysical Research Communications誌に報告した(Volume 626, 20 October 2022)。 その他、細胞分裂時にミトコンドリアを娘細胞へ適切に分配する機構(Nat. Commun. 2022)、p97/Cdc48機能欠損細胞におけるメタボローム解析(Heliyon, 2022)なども報告した。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|