2019 Fiscal Year Annual Research Report
アブシジン酸による種子休眠を制御する分子機構の解明
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19H02925
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
西村 宜之 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 次世代作物開発研究センター, 上級研究員 (70405041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 隆志 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (10228819)
山崎 俊正 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度解析センター, 所長・部門長 (40360458)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アブシジン酸 / 種子休眠 / シグナル伝達 / 植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
種子休眠で重要な働きをするDOG1は、ABA応答で働くタンパク質脱リン酸化酵素タイプ2C(PP2C)の一つであるAHG1と相互作用してAHG1のPP2C活性を制御することを見出したが、DOG1の機能やその制御機構は不明な点が多い。本研究では、DOG1の生理学的役割やその制御機構を解明することを目的する。 DOG1に相互作用する因子の同定では、これまでに酵母ツーハイブリット法(Y2H法)で単離していたDOG1に相互作用する候補因子の一つが共沈免疫遠心法で相互作用することを見出した。また、本年度新たにY2H法を行い、DOG1に相互作用する新たな候補因子の単離にも成功した。 DOG1の機能を抑制する因子の探索では、人為的にDOG1を発現させたYFP-DOG1過剰発現体に変異を導入し、この過剰発現体が示す形質を抑制する(サプレッサー)変異体を多数得ていた。いくつかのサプレッサー変異体についてNGS解析を行ったところ、サプレッサー変異の原因となる候補遺伝子領域を2箇所検出することに成功した。 DOG1の生化学的解析では、上記のDOG1の機能を抑制する因子の探索で同定したDOG1の機能抑制に関わるDOG1遺伝子の内部変異のうち、アミノ酸置換が生じたものについて解析を行った。その結果、人為的に発現させたDOG1タンパク質内に生じた変異アミノ酸は、AHG1との相互作用に影響しないことを見出した。DOG1が機能するためにはヘムとの結合も重要であることから、現在、DOG1変異リコンビナントタンパク質とヘムとの結合について解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者の異動に伴う実験室の引っ越し等による研究への影響を懸念していたが、DOG1に相互作用する因子の解析やサプレッサー変異体の解析は順調に進んでいることから、本年度の目標は達成したと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、DOG1に相互作用する因子の解析やサプレッサー変異体の解析等を行い、DOG1の生理学的役割やその制御機構の解明を目指す。
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Research Products
(2 results)