2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on tolerance mechanisms of pearl millet to environmental stresses
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19H02928
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 哲夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (30183057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津釜 大侑 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (10726061)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トウジンビエ / 環境ストレス耐性 / 高温耐性 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ICRISATから分譲を受けたトウジンビエ8系統について、高温耐性について評価する試験を行った。高温処理によって減少する穂あたりの粒数を指標として高温耐性を評価し、高温耐性以外の形質について差が大きくない2系統(高高温耐性系統:ICMB00333、および低高温耐性系統:ICMB00555)を選択し、以降の実験に供試した。高温処理方法として、グロースチャンバーを用いる方法と穂を湯につける方法とを用いた。高温の影響は生殖期に最も大きく受けることが知られていたが、生殖期のどの時期が重要であるか明らかでなかったので、穂ばらみ期、出穂期、葯期に高温処理を施した植物体から小穂を回収し、RNAを抽出した。RNA-seq解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題について、ほぼ予定通りに実験を進めていることができていて、データも集積されつつあるため、概ね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
トウジンビエの乾燥耐性・耐塩性に関与する可能性のあるタンパク質をコードする遺伝子について、2種類の解析を行う。 1. トウジンビエ植物体を用いた解析 対象とする遺伝子の破壊に用いるガイドRNA(sgRNA)の配列を設計し、それぞれの遺伝子に対して使用するコンストラクトを構築する。構築したコンストラクトを導入し、形質転換トウジンビエ系統を育成する。遺伝子破壊が確認された形質転換系統を用いて、高温耐性、乾燥耐性、耐塩性の試験を行い、耐性形質の変化について詳細に解析する。耐性の変化が確認された系統については、破壊された遺伝子を導入する相補試験をおこない、原因遺伝子であることを確認する。対象とする遺伝子を高発現する形質転換体を作成するために、適当なプロモーターにドライブされる当該遺伝子を組み込んだベクターを構築し、トウジンビエに導入して当該遺伝子過剰発現トウジンビエ系統を育成する。過剰発現系統を用いて、耐性形質の変化について詳細に解析する。 2. モデル植物を用いたトウジンビエ遺伝子の機能解析 モデル植物のイネおよびシロイヌナズナを用いて、対象とするトウジンビエ遺伝子の機能解析を行う。当該遺伝子の相同遺伝子がある場合には、その遺伝子の欠失変異系統を入手する。入手した変異系統を用いて乾燥耐性および耐塩性に関連した形質の解析を行う。耐性形質への関与が確認できた場合は、相補試験により原因遺伝子であることを確認する。また機能未知とアノテートされた遺伝子を中心としてイネおよびシロイヌナズナに導入して、乾燥耐性および耐塩性に関連した形質およびその他の形質に関して詳細な解析を行い、導入遺伝子の機能について解析する。
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