2019 Fiscal Year Annual Research Report
オオムギにおける形質転換適性の制御メカニズムの解明
Project/Area Number |
19H02930
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久野 裕 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (70415454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 良 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (80403476)
三谷 奈見季 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (40581020)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 形質転換 / オオムギ / 再分化 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オオムギの形質転換適性に関わる遺伝因子を明らかにし、それらを制御することにより、品種や系統に依存しない形質転換やゲノム編集を実現することを目的とする。 1.オオムギの形質転換効率に関わる3つの主要なTransformation amenability (TFA) 遺伝子座の絞り込みを目的として、形質転換できる品種「Golden Promise」(GP)とできない品種「Haruna Nijo」(HN)または「Full Pint」(FP)の交雑集団を用いて、アグロバクテリウム法による形質転換実験を行った。FP×GPから得られた形質転換体16個体を解析したところ、2H染色体長腕の約30Mbpの領域にGPアレルの集積が見られた。この領域にはGP由来のTFA3遺伝子座が存在すると考えられる。一方、HN×GPについては、TFA1が分離する個体を用いて20以上の形質転換体を作成した。 2.オオムギ幹細胞のライブイメージングを目的として、既知の幹細胞化関連遺伝子(Baby boom遺伝子およびWuschel2遺伝子)のオオムギホモログのプロモーターを用いてGFPレポーター遺伝子を発現制御する形質転換オオムギを作成し、形質転換後代種子(T1)を得た。 3.再分化等の培養適性に関わる物質の探索を目的として、名古屋大学から分譲された化合物ライブラリの各物質を含んだ培地を作成し、HNの未熟胚由来のカルスを培養した。再分化シュート、緑色細胞、根の再生および生長点形成等の評価を行った。これまで、約400の化学物質のスクリーニングを終えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画に記載した事項はおおむね遂行できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
形質転換効率に関わる3つの遺伝子座については、2つについて絞り込みが進んでおり、遺伝子単離に向けてさらなる遺伝学的解析を行う。幹細胞のライブイメージングに関しては、関連遺伝子プロモーターに制御されるGFP遺伝子を導入した形質転換体を得ることができたため、その後代を用いて解析を進める。培養適性に関わる物質の探索に関しては、化合物ライブラリのスクリーニングを進める。
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