2021 Fiscal Year Annual Research Report
ムギ類における出穂期不安定化機構の分子遺伝学的解明
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19H02931
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 鎌司 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (40161096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 英隆 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (30379820)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 育種学 / コムギ / オオムギ / 出穂期 / 分子遺伝学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ムギ類における出穂期不安定化の遺伝機構を明らかにするために,コムギおよびオオムギを用いて下記に示す遺伝研究を実施した. 本研究において,コムギ系統「超極早生」の出穂期不安定性に関わる早生遺伝子としてPCL1(概日時計遺伝子)を特定することに成功し,論文を投稿している.さらに,PCL1がデュラムコムギの超極早生化にも利用可能なことを明らかにし,世界で最も早生の超極早生デュラムの作出に成功した.ただし,「超極早生」由来のPCL1を保有するにもかかわらず超極早生を示さない系統が存在したことから,PCL1と相互作用して超極早生化を可能にする新規早生遺伝子exh-2がデュラムコムギにも存在することが明らかになった.そこでexh-2が分離すると考えられたデュラムコムギ集団を用いてDArT-seq解析を行い,exh-2の座乗領域の候補となり得るゲノム領域を複数(6A染色体短腕,6B染色体短腕)明らかにした.これらの染色体領域に早生遺伝子が座乗するという報告はなく,新規遺伝子である可能性が高い.今後,分離集団の規模を拡大してexh-2を特定し,PCL1との相互作用および出穂期不安定化機構を解明する予定である. オオムギにおいては,日長反応性遺伝子Ppd-H1と光受容体遺伝子HvPhyCが相互作用して出穂期不安定性に関わることを示した.そこで,この相互作用の遺伝学的解明を目的として,Ppd-H1およびHvPhyCの遺伝子型が異なるNILsセット(4系統)の育成を進めた.3種類については育成を完了し,残る1種類についても選抜を完了するところである.並行して,出穂期不安定性研究を加速するべく,ゲノム編集可能な「早木曽2号」NILsの育成にも着手しており,Golden Promiseにおいて特定された形質転換能QTLsを3個ともGolden Promise型ホモでもつ個体(B3F2)を選抜中である.
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)