2021 Fiscal Year Annual Research Report
イネ耐性品種を用いた低リン環境適応型作物モデルの構築
Project/Area Number |
19H02937
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
佐藤 豊 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 上級研究員 (90510694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹久 妃奈子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 上級研究員 (20455356)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | イネ / リン / オミクス / QTL |
Outline of Annual Research Achievements |
低リン耐性品種とコシヒカリを戻し交配して得られた後代系統(Line72)の耐性を評価するため、Line72とコシヒカリを段階的にリン施肥量を変えた(0.5, 1, 2, 3, 4, 8, 10g/10a)ポット試験で栽培した結果、2, 3, 4, 8g/10aの施肥区においてLine72の分げつ数はコシヒカリと比較して有意に多かった。一方で、通常施肥圃場において、両者の草丈、分げつ数、地上部乾燥重、穂数と全穂重には有意な差は認められなかったことから、Line72は低リン環境下で分げつ数を高く維持できる能力を持つ可能性が示唆された。 低リン耐性系統と感受性統間に発現差がある遺伝子の中に菌根菌との共生に関与することが報告されている遺伝子が含まれていたことから、低リン圃場で栽培した耐性品種、コシヒカリ、Line72の根において菌叢解析を実施した。クラスタリング解析の結果、真菌叢では全栽培環境下において系統品種間の明確な違いは認められなかったが、細菌叢では移植6週間後に品種・系統間の違いが見られ、Line72はコシヒカリよりも耐性品種に類似した群集構造を持つことが示された。 Line72とコシヒカリを交配して得られたF2集団を低リン環境のポットで栽培し、耐性が見られた系統と感受性の系統を選抜し、根のmRNA-Seq解析を実施した。また、分げつ数に有意な差が見られた低リン環境 (ポット 3g/10a)において、Line72とコシヒカリの葉のmRNA-Seq解析を実施し、さらに昨年度長期連用圃場で栽培した耐性品種・系統とコシヒカリの葉について2週間おきにmRNA-Seq解析を実施した。葉のmRNA-Seqのデータ解析の結果、耐性と感受性に関連のありそうな遺伝子は見出せず、また経時的なリンのバイオマーカーの発現プロファイルについても両者の間でほとんど差が見られなかった。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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