2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the molecular mechanism of hybrid vigor in Brassica vegetables
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19H02947
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 龍 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (60620375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宅野 将平 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (20547294)
奥崎 文子 玉川大学, 農学部, 准教授 (40759750)
藤井 壮太 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90716713)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 雑種強勢 / ヘテロシス / DNAメチル化 / ゲノムワイド関連解析 / ゲノム編集 / QTL / ハクサイ |
Outline of Annual Research Achievements |
ハクサイの市販F1品種の自殖後代であるF2集団を用いて、播種後6日の子葉サイズ、播種後14日の本葉サイズ及び、収量形質に着目したQTL解析を実施した。播種後14日の本葉サイズにおいては、2反復以上で共通してみられるQTLが同定でき、このQTLは播種後21日の本葉サイズの増大にも重要であることを明らかにした。更なる領域の絞り込みのための材料を作出中である。同様に、収量サイズにおいても複数年で検出されたQTLを同定した。次年度にはこれらのQTLを用いて、幼植物の段階において、収量性が高い個体が選抜可能か検証する計画である。また、両親系統を用いてGRAS-Diを行い、 およそ2000マーカーの遺伝子型判定が可能であることを検証した。 F1品種を用いたゲノムワイド関連解析を実施する為に、今年度は140種類のハクサイの市販F1品種をうち初期生育に優れた24 品種についてRNA-sequencingを行い、シークエンスデータを取得した。 両親系統とF1を用いたWGBS解析を行い、両親系統とF1のDNAメチル化状態について明らかにした。現在、両親系統とF1でDNAメチル化レベルに違いが見られる領域を同定するための解析を実施している。 DNAの維持メチル化に関わるDDM1遺伝子を標的としてゲノム編集 (CRISPR-Cas9)を利用して、遺伝子機能喪失変異体の作出を行った。DDM1-A07については機能喪失アレルがホモ接合型となっている個体を得ることができ、DDM1-A07とDDM1-A09の両方について、どちらも機能喪失アレルと機能型アレルをヘテロ接合型で有する個体を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
QTL解析によりハクサイの雑種強勢がみられる形質のQTLが同定できた。また、ゲノムワイド関連解析においては当初の予定通りのサンプル数についてRNA-seqを 実施した。DNAメチル化解析においても解析を行い、両親系統とF1でDNAメチル化レベルが異なる領域の同定を進めている。ゲノム編集による組換え個体も得られている。よって、当初の計画通り研究が進んでいることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はQTL解析の反復実験を実施する。ゲノムワイド関連解析ではさらに24品種のRNA-seqを行い、全てのデータが揃った時点で解析を開始する。WGBS解析では、両親系統とF1でDNAメチル化レベルが異なる領域の同定を目指す。そして、ゲノム編集により作出した形質転換体の自殖後代から、DDM1遺伝子機能喪失変異体を選抜する。
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