2021 Fiscal Year Annual Research Report
トウガラシにおけるジェミニウイルス耐病性機構の解明および品種改良への応用
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19H02950
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
小枝 壮太 近畿大学, 農学部, 准教授 (00629066)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | トウガラシ・ピーマン / ジェミニウイルス / ベゴモウイルス / 抵抗性 / 品種改良 / 育種 / ゲノム解析 / RADseq |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は当初の計画にあったベゴモウイルス抵抗性を有するトウガラシ3系統についての遺伝解析を行った。1系統については劣性抵抗性遺伝子座pepy-1を同定し、交雑集団を用いたファインマッピングにより抵抗性遺伝子がmessenger RNA surveillance factor Pelotaをコードすることを明らかにした。なお、Pelotaがpepy-1であることは逆遺伝学的解析手法であるvirus induced gene silencingにより確認した。pepy-1はトウガラシにおいて世界で初めて単離されたジェミニウイルス科・ベゴモウイルス属に対する抵抗性遺伝子である。2つ目の抵抗性系統についても抵抗性遺伝子のファインマッピングを進め遺伝子の単離に成功した、現在論文化の最終段階を進めている。3つ目の抵抗性系統については、抵抗性がQTLにより支配されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は4年での抵抗性遺伝子の単離を目標に進めてきたが、現在のところ3年目で既に2つの新しい抵抗性遺伝子の単離に既に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題で同定したpepy-1の実際の生産環境における抵抗性の効果や果実生産性への影響を調査するとともに、追加で単離し、現在論文化を進めている抵抗性遺伝子との組合せによる抵抗性の強化が可能なのかについても検証していく。また、3系統目のQTLについてはファインマッピングを進め、遺伝子単離に向けて予定通りに進めていく。なお、次年度が本科研費の最終年度であるため、我々の研究チームでトウガラシにおいて蓄積してきた知見や解析技術等を、ジェミニウイルスが問題となる他の園芸作物においても応用し、新たな抵抗性遺伝子を単離することを目的に研究基盤の構築も進めていく。
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