2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of coordinated regulation mechanism of cytochrome P450 genes: key genes for multiple-herbicide resistance in Echinochloa phyllopogon
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19H02955
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩上 哲史 京都大学, 農学研究科, 助教 (00761107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤木 剛士 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (50611919)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | P450 / 抵抗性 / 解毒代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)抵抗性発現の鍵となる3種のシトクロムP450遺伝子の過剰発現を制御する因子の同定に向け、共発現ネットワーク解析を行った。解析には、植物ホルモンなどの処理を行った抵抗性および感受性系統、これらの交雑後代について、それぞれ地上部、地下部組織など約30種のサンプルの用いた。RNAを抽出後、RNA-seqライブラリを作成した。HiSeq4000によりシーケンスし、共発現解析にはWGCNAパッケージを用いた。共発現解析によりトランスクリプトームは8 種のモジュールに分類された。3 種のP450 遺伝子を含むモジュールには薬物代謝関連遺伝子が多く含まれ、抵抗性系統で高発現する転写因子が3 種存在した。3 種のP450 遺伝子のプロモーターにはこれら転写因子のcis 配列が存在した。また3 種のP450遺伝子は除草剤ジクロホップメチルにより発現誘導されることが知られるが、これらの転写因子についても誘導性が認められた。したがって、これらの遺伝子が抵抗性発現に関わる可能性が示唆された。 (2)候補遺伝子の機能解析に向け、タイヌビエにおけるプロトプラスト形質転換系の構築を試みた。イネ科植物に幅広く適用可能と報告された緑葉からのプロトプラスト単離法に従って実験を行ったものの、状態の良いプロトプラストは単離できなかった。 (3)タイヌビエ交雑後代(F5)を約40系統育成し、DNAを抽出するとともに、次世代F6種子を採取した。すでに採種済みのF6系統について、除草剤感受性を評価した。次年度以降、これらを原因遺伝子座のマッピングに使用する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
タイヌビエ交雑後代の発芽不良により、実験を予定通りに進めることができなかった。プロトプラストの単離についても、別の研究機関で行った予備試験では比較的良好な結果が得られていたものの、結果が再現できず、予定通り進められなかった。ゲノムシーケンスを予定していたが、別グループからドラフトゲノムが公開されるとの情報を聞いたため、その公開を待つことにした。
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Strategy for Future Research Activity |
抽出したDNAを用いてddRAD-seqを行い、交雑後代のゲノムワイドな遺伝子型を決定するとともに、QTL解析を行い抵抗性の原因遺伝子領域を絞り込む。また、タイヌビエにおける形質転換についてはプロトプラストがうまくいかない可能性もあるので、核ゲノムへの形質転換についても検討する。またデュアルルシフェラーゼアッセイなど、その他の手法も用いて、制御遺伝子の候補について機能解析を進める。
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Research Products
(1 results)