2019 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of plant disease resistance induced by amino acids and exploration of new defense-related compounds
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19H02961
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
瀬尾 茂美 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 主席研究員 (80414910)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アミノ酸 / 病害抵抗性 / エチレン / 青枯病 / プラントアクティベーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題ではアミノ酸であるL-ヒスチジン(His)によって誘導される植物の青枯病抵抗性の分子機構の解明を目的とする。その目的を達成するため2つのサブテーマ(「エチレン経路活性化機構の解明」及び「青枯病抵抗性に関わる未知因子の探索」を立てた。各サブテーマについて次の通り報告する。1.エチレン経路活性化機構の解明については、先行研究によりL-His処理した植物(トマトやシロイヌナズナ)ではエチレンの生産が高まること、L-His処理した植物ではヒスタミンやピリドキサールリン酸(PLP)が蓄積することを示唆するデータを得た。そこで本年度は、L-Hisによるエチレン経路活性化におけるヒスタミンやピリドキサールリン酸(PLP)の必要性や重要性を明らかにするために、これら物質の合成・代謝に関わるシロイヌナズナの候補遺伝子であるPDXに着目した。発現解析の結果、PDX遺伝子はL-His処理により発現が高まることが明らかとなった。2.青枯病抵抗性に関わる未知因子の探索については、青枯病抵抗性に関わる未知因子を探索するため、材料を確保できるトマトを用いた。L-His処理したトマトのアセトン抽出物を各種カラムクロマトグラフィーに供し、得られた溶出画分を青枯病抵抗性検定に供し、病抑制活性の程度による活性を評価したところ、酢酸エチル可溶中性画分に強い青枯病発病抑制活性を検出したことから、活性画分をシリカゲルクロマトグラフィー、次いでC18逆相カラムクロマトグラフィーに供した。さらに得られた活性画分は逆相HPLCに供し、活性はクロマトグラフ上で単一のピークとして検出することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りに進展したことから当該自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
特にチャレンジングな「青枯病抵抗性に関わる未知因子の探索」については、活性物質の精製・単離が成否の鍵を握ることから、精製途中での失活やサンプルロス等が生じることにより研究が中断しないよう植物材料やそれから調製して得られる粗抽出物を常に大量に確保することに努める。
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