2020 Fiscal Year Annual Research Report
Disruption of sex chromosome inheritance, functional complementation, developmental block of nonhosts associated with endosymbiotic Wolbachia pipientis
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19H02972
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
陰山 大輔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (60401212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐原 健 岩手大学, 農学部, 教授 (30241368)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 生殖操作 / 細胞内共生細菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
・新型コロナ感染症増加のため、7月に予定していた種子島でのキタキチョウ採集および野外調査を行うことができなかった。そのため染色体伝達阻害の仮説検証のために必要な染色体観察のためのサンプルを確保することができなかった(2021年度には可能な限り採集と野外調査を行いたいと考えている)。 ・種子島で現地調査をしたキタキチョウにおけるボルバキア(Wolbachia)感染頻度、性比、交尾回数などの関係についてデータを整理し、野外集団において、なぜ全メスを産むメス(wCI系統とwFem系統のボルバキアに重複感染している個体)が高い頻度で安定して存在し続けているのかについての仮説を整理し、論文執筆を行い、公開した(bioRxiv)。その後、学術誌に投稿を行った。 ・キタキチョウから樹立された培養細胞を用いて、ボルバキアが宿主の性決定カスケードを変化させる現象(doublesex遺伝子のスプライシングパターンをオス型からメス型に変化させる現象)について再検証を行ない、その現象が確実に起きていること示した。 ・昨年浮上した、キタキチョウにおける性染色体の伝達阻害メカニズムに関する新たな仮説「祖父由来ゲノム消滅説」(父方由来のゲノムセットが次世代において消失する)の検証のため、実験に必要なサンプルからDNAを抽出した。 ・キタキチョウのボルバキアをインジェクションすることにより、次世代の胚発生が起きなくなる現象(非宿主の発生阻害)について、ショウジョウバエを用いた検証を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症増対策のため、キタキチョウのサンプリングができておらず、そのため、染色体観察ができないでいる。今年は可能な限り種子島での採集と野外調査を行いサンプルを確保する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは染色体観察のためのサンプルの確保を行う予定であるが、万が一それがかなわなかった場合でも、他の内容、機能補完と発生阻害について、注力して進めていきたい。
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Research Products
(1 results)